この問題は、写像の合成について、単射や全射がどのように関係するかを問うものです。特に、合成写像g ◦ f が単射であるならば f が単射であること、また合成写像g ◦ f が全射であれば g が全射であることが前提として述べられています。ここでは、問題に対して具体的な例を用いてその解法を説明します。
合成写像g ◦ f が単射である場合の条件
合成写像g ◦ fが単射であるためには、g(f(x₁)) = g(f(x₂)) ならば x₁ = x₂ でなければなりません。つまり、fが単射であれば、g◦fが単射であることは確定します。しかし、gが単射でない場合でも、g◦fが単射になることがあります。これは、gが異なる入力を同じ出力にマッピングしても、fがその入力を異なる出力にマッピングするためです。
問題(1) 合成写像g ◦ fが単射であり、gが単射でも全射でもない例
この例では、fが単射であり、gが単射でも全射でもない写像の例を示します。例えば、次のような写像を考えます。
- f: X → Y, f(x₁) = y₁, f(x₂) = y₂(fは単射)
- g: Y → Z, g(y₁) = z₁, g(y₂) = z₁(gは単射でなく、同じ出力を持つ)
この場合、g(f(x₁)) = g(f(x₂)) = z₁となりますが、x₁ ≠ x₂ でもg(f(x₁)) = g(f(x₂))が成立します。これにより、g ◦ fが単射であり、gが単射でない例を作り出すことができます。
問題(2) 合成写像g ◦ fが全射であり、fが全射でも単射でもない例
次に、g ◦ fが全射であり、fが全射でも単射でもない例を示します。例えば、次のような写像を考えます。
- f: X → Y, f(x₁) = y₁, f(x₂) = y₂(fは全射でないが、全範囲をカバー)
- g: Y → Z, g(y₁) = z₁, g(y₂) = z₂(gは全射である)
この場合、g(f(x₁))およびg(f(x₂))は全てのzに対応するため、合成写像g ◦ fは全射になります。
課題2の解説: 逆写像の存在とfが全単射である理由
ここでは、fが全単射である理由を示します。合成写像g ◦ f = idA かつ f ◦ g = idB の関係から、fが全単射であることを証明します。まず、g ◦ f = idAは、fが全射であり、さらにgがfの逆写像であることを意味します。これにより、fは全単射であることが示されます。
まとめ
この問題を通じて、写像の合成における単射・全射の関係について理解を深めました。特に、g ◦ fが単射であってもgが単射でない場合や、g ◯ fが全射であってもfが単射でない例を通して、写像の合成における深い理解を得ることができました。
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