関数 f(x) = x²sin(1/x)(x ≠ 0, f(0) = 0)の微分を求める問題において、x ≠ 0の部分とx = 0の部分では計算方法が異なります。この違いについて、なぜx ≠ 0では普通に微分して、x = 0では定義に基づく計算を行うのか、その理由を解説します。
f(x) の微分の定義
関数 f(x) = x²sin(1/x) の微分は、まず定義に基づいて求めます。x ≠ 0 の場合、通常の微分法則に従って、積の微分を利用して計算できます。しかし、x = 0 の場合は、微分の定義に従ってリミットを使って計算する必要があります。
x ≠ 0 の場合の微分
x ≠ 0 の場合、f(x) = x²sin(1/x) は積の微分法則を使って微分できます。まず、x²とsin(1/x)の積を微分します。
積の微分法則を使うと、f'(x) = 2xsin(1/x) – cos(1/x) となります。これで、x ≠ 0 の部分の微分が求められます。
x = 0 の場合の微分
次に、x = 0 の場合を考えます。x = 0 の場合は、微分の定義に従ってリミットを使います。具体的には、f'(0) は次のリミット式で求めます。
f'(0) = lim(h→0) [(f(0+h) – f(0)) / h] = lim(h→0) [(h²sin(1/h)) / h] = lim(h→0) [h sin(1/h)]
ここで、sin(1/h) の値は -1 と 1 の間を振動しますが、h が 0 に近づくにつれて h sin(1/h) は 0 に収束します。したがって、f'(0) = 0 となります。
なぜ x ≠ 0 と x = 0 で計算方法が異なるのか
x ≠ 0 の場合には通常の微分法則を使うことができるのに対し、x = 0 の場合には微分の定義に基づいてリミットを使わなければならない理由は、x = 0 での関数の挙動が特別であるためです。x ≠ 0 では、関数が連続的に変化していますが、x = 0 での振る舞いはリミットを使って評価する必要があります。
まとめ
このように、f(x) = x²sin(1/x) の微分を求める際には、x ≠ 0 の場合には積の微分法則を用いて計算し、x = 0 の場合には微分の定義に基づいてリミットを使って計算します。この理解を深めることで、微分をより適切に扱うことができます。
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