無名抄における「らむ」の解釈:原因推量と現在推量の違い

文学、古典

「いざ、よそにはさもや定め侍るらむ。」という文の中の「らむ」について、原因推量ではなく現在推量だと考えられる理由について解説します。

「らむ」の意味と使い方

「らむ」は古典文学で使われる助動詞で、基本的には推量を表します。推量には、現在推量、原因推量、過去推量などがあります。この文脈での「らむ」は現在推量に当たります。

「らむ」は、その名の通り、何かの状態や事象が現在起こっていると予測する意味を持っています。つまり、話し手がその時点での事象について推測しているということです。

「さもや」の係助詞と推量

質問者が言及している「さもやのやが係助詞」という点についても触れます。「さもや」は、何かが「そうであろう」ということを強調する表現で、文法的には強調の助詞「や」を伴います。

この強調により、状況や事象が強調され、話し手の推量がより確信的であるように伝えられます。しかし、「さもや」が係助詞だからといって、原因推量になるわけではありません。「さもや」の強調は、単にその事象に対する推量を強調する役割を果たしているだけです。

現在推量と原因推量の違い

現在推量と原因推量の違いについてもう少し詳しく説明します。現在推量は、話し手が現在進行中の事象に対して推測を行っている状態を指します。

一方、原因推量は、過去や現在の事象に対して、その原因を推測する際に用いられるものです。したがって、この文における「らむ」は、あくまで現在推量を示しているため、原因推量ではないのです。

まとめ

「いざ、よそにはさもや定め侍るらむ。」の文における「らむ」は現在推量を示しており、「さもや」の係助詞がその推量を強調しています。原因推量と考える理由があるかもしれませんが、文脈から判断すると、現在推量が適切な解釈となります。

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