単位インパルス関数のラプラス変換:L[δ(t)] = 1 の証明と部分積分の使い方

大学数学

単位インパルス関数 δ(t) のラプラス変換が1になることを証明する方法について解説します。この証明では、ラプラス変換の定義を用い、部分積分を使ったアプローチを詳しく説明します。

ラプラス変換の定義

ラプラス変換は、関数 f(t) に対して次のように定義されます。

L[f(t)] = ∫[0→∞] f(t) e^(-st) dt

ここで、s は複素数の変数で、t は時間です。単位インパルス関数 δ(t) のラプラス変換を求めるには、次の式を使用します。

L[δ(t)] = ∫[0→∞] δ(t) e^(-st) dt

単位インパルス関数 δ(t) の性質

単位インパルス関数 δ(t) は、t = 0 の時に無限大の値を持ち、それ以外の点ではゼロである関数です。したがって、δ(t) の積分は、t = 0 の点でのみ影響を与えます。この性質を利用して、ラプラス変換を簡略化できます。

具体的には、δ(t) の性質により、積分は次のように簡略化されます。

∫[0→∞] δ(t) e^(-st) dt = e^(0) = 1

部分積分のアプローチ

部分積分を使用してこの問題を解く方法についても説明します。部分積分の公式は次の通りです。

∫ u dv = uv – ∫ v du

ここで、u と v は適切に選ばれる関数です。しかし、単位インパルス関数 δ(t) をラプラス変換する場合、積分の範囲は [0, ∞] であり、関数 δ(t) の特異性を考慮しなければならないため、部分積分を直接適用するのは難しいです。実際には、δ(t) の性質を活用することで、簡単にラプラス変換を求めることができます。

最終的な証明

最終的に、ラプラス変換の定義と単位インパルス関数の特性を考慮すると、次のように結果を得ることができます。

L[δ(t)] = ∫[0→∞] δ(t) e^(-st) dt = 1

したがって、単位インパルス関数 δ(t) のラプラス変換は 1 であることが証明されました。

まとめ

単位インパルス関数 δ(t) のラプラス変換が1になることは、δ(t) の特異性を理解することで簡単に証明できます。部分積分を用いたアプローチは、δ(t) の性質を考慮した上で進める必要があり、最終的にはラプラス変換の定義を利用することで結論を得ることができます。

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