重複を許す組み合わせの計算方法とその誤解

高校数学

「3種類の異なる文字a、b、cから重複を許して4個取り出す組み合わせは何通りか?」という問題に対して、よく「3の4乗」という答えが出されることがあります。しかし、この計算方法には誤りがあります。では、なぜ「3の4乗」が間違いで、正しい解法は何なのか、詳しく見ていきましょう。

1. 組み合わせとは?

まず、組み合わせの基本的な考え方をおさらいしましょう。組み合わせは、選ばれたアイテムが並び順を考慮しない場合に使います。一方で、順番も考慮する場合は「順列」という概念になります。今回の問題では「重複を許す」とありますが、これは順番を考慮せず、同じアイテムを何回でも選ぶことができるという意味です。

したがって、3種類の文字から4つ選ぶ場合、順番を考慮せず、同じ文字を何度でも使うという「重複組み合わせ」の問題となります。

2. なぜ「3の4乗」ではいけないのか?

「3の4乗」という計算は、3種類の文字から順番を考慮して4回選ぶ場合に適用される計算です。つまり、順番を考慮して「a, a, b, c」のように並べる場合に有効ですが、今回は順番は考慮しないため、この計算方法は不適切です。

重複組み合わせの場合、選ぶ順番に関係なく同じものを選べるため、次のように計算を進めます。

3. 重複組み合わせの正しい計算方法

重複を許した組み合わせを求める場合、以下の公式を使います。

重複組み合わせの公式 = (n + r – 1)C(r)

ここで、nは選ぶアイテムの種類数(この場合は3種類の文字a, b, c)、rは選ぶ個数(今回は4つ)です。

したがって、今回の場合、重複組み合わせの計算は次のようになります。

公式に代入すると、(3 + 4 – 1)C(4) = 6C4 です。

6C4は、6個のアイテムから4個を選ぶ組み合わせの数を求めるもので、計算すると15通りとなります。

4. 具体例で確認してみましょう

例えば、文字a, b, cから4つ選ぶ場合、次のような組み合わせがあります。

  • aaaa
  • aaab
  • aabc
  • abbb
  • bbbb
  • abcc
  • cccc

このように、順番に関係なく、同じ文字を複数回選んだ場合でも組み合わせは増えていきます。

5. まとめ

今回の問題では、3種類の異なる文字a, b, cから重複を許して4つ選ぶ場合、正しい解法は「重複組み合わせ」の公式を使うことであり、結果は15通りです。間違って「3の4乗」を使ってしまわないように注意しましょう。

重複を許す組み合わせでは、順番を考慮せずにアイテムを選ぶため、順列の考え方を適用するのは間違いです。この問題を解くためには、重複組み合わせの公式を理解し、正しい計算方法を使うことが大切です。

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