四元数の計算問題を解くためには、四元数の基本的な演算方法を理解することが大切です。今回は、四元数をa+bi+cj+dkの形に変換する方法を解説します。以下では、3つの問題を順を追って解説し、四元数の乗算や累乗、逆数を求める方法を学びます。
問題(1): (2+3i-j)(1+4k)の解き方
まず、四元数の乗算を行います。四元数の乗算は、分配法則を利用して各項を掛け合わせる方法です。具体的には、次のように計算します。
(2 + 3i – j)(1 + 4k) = 2(1 + 4k) + 3i(1 + 4k) – j(1 + 4k)
これを展開すると。
2(1 + 4k) = 2 + 8k
3i(1 + 4k) = 3i + 12ik
-j(1 + 4k) = -j – 4jk
次に、iとkの積やjとkの積を計算します。iとk、jとkはそれぞれij = k、jk = -i、ki = -j、kj = i という関係に基づきます。これらを使って計算します。
12ik = 12j、-4jk = 4i
最終的な結果は。
2 + 8k + 3i + 12j – j – 4k = 2 + 3i + 11j + 4k
したがって、答えは。
2 + 3i + 11j + 4k
問題(2): (1 + i – k)^2の解き方
次に、四元数の累乗を計算します。累乗は自乗を取ることで簡単に計算できます。次のように計算します。
(1 + i – k)^2 = (1 + i – k)(1 + i – k)
これも分配法則を使って展開します。
1(1 + i – k) + i(1 + i – k) – k(1 + i – k)
展開すると。
1 + i – k + i + i^2 – ik – k – ki + k^2
i^2 = -1、k^2 = -1、ik = j、ki = -j であることを使います。
最終的な計算は。
1 + i – k + i – 1 – j – k + j – 1 = -1 + 2i – 2k
したがって、答えは。
-1 + 2i – 2k
問題(3): (3 + 4j)^(-1)(5 + 10k)の解き方
最後に、四元数の逆数を求めてから掛け算を行います。まず、(3 + 4j)^(-1) の逆数を求めます。逆数は、四元数の共役をそのノルムの二乗で割ることによって求めます。
まず、3 + 4jの共役は3 – 4jです。そして、そのノルムは√(3^2 + 4^2) = √25 = 5です。したがって、(3 + 4j)^(-1) は次のように求められます。
(3 + 4j)^(-1) = (3 – 4j) / 25
次に、この逆数を(5 + 10k)と掛け算します。
((3 – 4j) / 25)(5 + 10k) = (3 – 4j)(5 + 10k) / 25
分配法則で展開します。
3(5 + 10k) – 4j(5 + 10k)
これを計算すると。
3(5 + 10k) = 15 + 30k、-4j(5 + 10k) = -20j – 40jk
jk = -i なので。
-40jk = 40i
最終的な計算結果は。
15 + 30k – 20j + 40i
したがって、(3 + 4j)^(-1)(5 + 10k) は次のように表されます。
(15 + 30k – 20j + 40i) / 25 = 3/5 + 6k – 4/5j + 8/5i
まとめ
これらの問題を解くことで、四元数の演算方法や計算の流れを理解することができます。四元数の乗算や累乗、逆数の求め方は、計算の規則を正しく理解することが重要です。演算における各項の計算を丁寧に行い、最終的な結果を得ることができます。
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