バスと徒歩の到着時間が一致する条件から導く比の問題:時速と距離の活用法

数学

速さ・時間・距離の関係を活用した文章題には、論理的思考力と整理力が求められます。今回は、2人の人物が同じバスに乗り、それぞれ異なるバス停で降りてから徒歩で目的地Zに向かうというシチュエーションで、目的地に同時到着するという条件から距離の比を求める問題を解説します。

問題の整理:与えられた条件を図示して考える

登場人物は2人、AとB。そして目的地はZ。Zはバス停✕とバス停Yの間にあります。

A:✕からバスに乗って、Zの手前で降りてZへ向かって歩く。
B:✕からバスに乗って、Zを通り過ぎたYで降り、Zに向かって戻るように歩く。

2人は同じ時刻にバスに乗り、降りるバス停は異なるものの、Zに到着する時刻は同じです。

重要な条件:速さと移動手段

この問題では以下の速さが与えられています。

  • 徒歩の速さ:4km/h
  • バスの速さ:40km/h

また、AとBがZに到着した時刻が一致するという点が非常に重要なヒントになります。

考え方のポイント:バスでの移動時間と歩きの時間のバランス

同じバスに乗っていたということは、バスに乗っていた時間の差と歩いていた時間の差が一致している必要があります。なぜなら、どちらも出発は同じ時刻で、到着も同時なのです。

歩く距離が違えば、当然かかる時間も異なります。ここでAとBの歩いた距離をそれぞれ a(Zから手前のバス停)と b(Zから先のバス停)とおくと。

Aの徒歩時間は a ÷ 4
Bの徒歩時間は b ÷ 4

その差は、バスの移動時間の差となります。つまり、Bの方がバスに長く乗っていたので、その分多く進んでから歩いて戻っています。

バスの速さは徒歩の10倍なので、徒歩でa km歩いたAがバスに10分間乗っていた距離を歩いて戻ったことに相当します。

時間を合わせるための方程式として。

(b – a) ÷ 4 = (a + b) ÷ 40

これを整理すると、距離の比が求められます。

実際の計算:方程式の整理

(b – a)/4 = (a + b)/40
両辺に40をかけて分母を払うと。

10(b – a) = a + b

展開して整理すると。

10b – 10a = a + b → 9b = 11a

したがって、a : b = 9 : 11

これは、✕からZまでの距離(a)とYからZまでの距離(b)の比は 11 : 9 であることを意味します。

まとめ

このような速度と時間に関する問題では、移動手段の違いによる「差」に着目することが重要です。同時刻に到着するという条件を利用して、時間の差を距離と速さに置き換えて方程式を立てることで、比や実際の値を求めることができます。今回の例では、比が 11 : 9 になることが明らかとなり、速さの基本と論理的思考を融合した良問といえるでしょう。

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