本記事では、任意のε > 0に対して有界な実数列{a_n}が次の条件を満たすとき、limsup[n→∞]a_n = α (α ∈ R) であることの証明を行います。特に、limsupの定義と有界列の性質を使って、証明の過程を詳しく解説します。
limsupの定義と有界列の性質
limsupは、数列の上限の極限を表します。limsup[n→∞]a_nがαであるとは、数列{a_n}が無限に続く間に、a_nがαに収束するということを意味します。具体的には、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- あるN ∈ Nが存在し、任意のn ≥ Nに対してa_n < α + εが成立する。
- a_n > α – εを満たすn ∈ Nは無限個存在する。
これらの条件を使って、limsupの値がαであることを証明します。
証明の準備
まず、定義に基づいてlimsupの求め方を理解することが大切です。任意のε > 0に対して、数列{a_n}が満たすべき条件を確認します。条件①では、nが大きくなるほどa_nはα + εより小さくなる必要があります。条件②では、a_nがα – εより大きい値を無限回取る必要があります。
これらの条件が満たされることで、数列{a_n}がαに収束することを確認できます。
証明のステップ
証明の流れは次の通りです。
- 条件①を使って、nが十分大きくなると、a_nはα + εより小さくなることがわかります。
- 条件②を使って、a_nはα – εより大きい値を無限回取るため、αに近づくことが示されます。
- これらを結びつけて、limsup[n→∞]a_nがαであることを示します。
具体的には、数列がαに収束しているため、任意のεに対してa_nがεの範囲内に収束することが確認できます。したがって、limsup[n→∞]a_n = αとなります。
まとめ
今回の証明では、limsupと有界な実数列の収束について、2つの条件を満たすことでlimsup[n→∞]a_n = αが成り立つことを示しました。これにより、数列がどのように収束するのかを具体的に理解することができます。この証明を通じて、limsupの性質と実数列の収束に関する深い理解を得ることができます。
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