この文章は、古文における典型的な表現の一つです。ここでは、品詞分解とともに現代語訳を行い、文の意味を明確にしていきます。
1. 品詞分解
「主上は人も通はぬ隠岐国とかやへ流され給ふなる。」の品詞分解は以下の通りです。
- 主上(しゅじょう):名詞。「主上」は「天皇」を指す敬語の表現です。
- は:係助詞。主題を示します。
- 人(ひと):名詞。「人」は「人々」や「誰も」を意味します。
- も:係助詞。「も」は強調の意味で、ここでは「通ることができる人もいない」という意味になります。
- 通はぬ(とおらぬ):動詞「通る」の未然形「通は」+否定の助動詞「ぬ」。意味は「通ることができない」です。
- 隠岐国(おきのくに):名詞。現在の「隠岐諸島」を指します。
- とかやへ:助詞。「とかやへ」は「~に」や「~へ」と訳されることがあり、場所を示す助詞です。
- 流され(ながされ):動詞「流す」の未然形「流さ」+受身の助動詞「れる」。意味は「流される(追放される)」です。
- 給ふ(たまふ):尊敬語の動詞「給ふ(たまふ)」で、ここでは「~なさる」と訳されます。
- なる:助動詞。断定の助動詞「なり」の連体形です。「~である」と訳します。
2. 現代語訳
「主上は人も通はぬ隠岐国とかやへ流され給ふなる。」を現代語に訳すと以下のようになります。
「天皇は、人々が通ることもできない隠岐の島へ追放されなさったのだ。」
3. 解説
この文では、天皇が隠岐に流されたことを伝えています。特に「人も通はぬ」という部分が強調されており、隠岐の島がいかに隔絶された場所であったかを示唆しています。
また、「流され給ふなる」の部分は、尊敬語が使われており、天皇が高い地位の人物であることを表しています。
4. まとめ
「主上は人も通はぬ隠岐国とかやへ流され給ふなる。」という文の品詞分解と現代語訳を通して、古文の構造とその意味を明確にしました。このような文章を現代語に訳すことは、古文を理解するために非常に重要です。
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