電気設備技術基準第57条の解説：特別高圧で使用する接触電線について

電気設備に関する技術基準を定める省令第57条には、配線の使用電線についての規定があり、その中に「特別高圧で使用する接触電線を除く」と記載されています。しかし、その後の第3項で「特別高圧の配線には接触電線を使用してはならない」とも書かれており、これが矛盾しているのではないかという疑問が生じます。この記事では、この条文の意味を解説し、混乱を解消します。

第57条の基本的な内容

まずは、電気設備に関する技術基準第57条の基本的な内容を理解しましょう。第57条は、配線に使用する電線に関して、感電や火災の危険がないように、十分な強度と絶縁性能を有する電線を使用しなければならないということを規定しています。

第57条の1項では、「裸電線及び特別高圧で使用する接触電線を除く」とありますが、この「接触電線」とは何か、そして「特別高圧」の配線にどう関係するのかを次に説明します。

接触電線とは？

接触電線は、電線が直接触れたり、非常に近い状態で配置された電線です。通常、電線は絶縁体で覆われていますが、接触電線はその名の通り、絶縁が少ないため、直接触れてしまうことがあります。このため、感電の危険が高く、特別な取り扱いが必要とされます。

特に、特別高圧の配線においては、接触電線を使用することが危険とされており、火災や感電のリスクを避けるために禁止されています。

「特別高圧で使用する接触電線を除く」という意味

第57条の最初にある「特別高圧で使用する接触電線を除く」という文言は、一見矛盾しているように見えるかもしれません。しかし、これは実際には「特別高圧で使用する場合には、接触電線を除く」ということを意味しています。

つまり、特別高圧で使用する場合、接触電線は使用してはいけないが、それ以外の低圧や中圧の配線には接触電線が使用可能であるという解釈です。これにより、異なる電圧の配線における安全基準が区別されています。

なぜ特別高圧で接触電線を使うことが禁止されているのか？

特別高圧の電圧は非常に高いため、誤って接触電線に触れると重大な事故を引き起こす可能性があります。高圧電線が感電の危険性を大きく高めるため、特別高圧の配線には必ず絶縁性の高い電線を使用し、接触を避ける必要があります。

そのため、特別高圧の配線において接触電線を使用することは厳しく禁じられています。これにより、事故のリスクを最小限に抑え、安全性が確保されています。

まとめ

電気設備技術基準第57条における「特別高圧で使用する接触電線を除く」という規定と「特別高圧の配線に接触電線を使用してはならない」という条文には、見た目の矛盾があるように思えますが、実際には異なる電圧での安全基準を区別しています。特別高圧では接触電線の使用が禁じられており、その安全性が強調されています。理解を深め、安全な電気設備の設計と使用に役立てましょう。