この問題は、病気の検査結果に関する確率を求める問題です。与えられた情報をもとに、陽性結果が出る確率や、陽性となった場合に実際に病気にかかっていない確率を求める方法を解説します。
① A地方のある人がこの検査で陽性となる確率
この問題を解くためには、与えられた確率を使って全確率の法則を適用する必要があります。ここでは次の確率を利用します。
- 病気にかかっている人が正しく陽性と判定される確率:60%(0.6)
- 病気にかかっていない人が正しく陰性と判定される確率:95%(0.95)
- A地方で病気にかかっている人の割合:10%(0.1)
- 病気にかかっていない人の割合:90%(0.9)
この情報をもとに、A地方のある人が陽性となる確率は、病気にかかっている場合と病気にかかっていない場合の確率を合成することで求めます。
陽性となる確率は次のように求められます。
P(陽性) = P(陽性|病気) * P(病気) + P(陽性|病気でない) * P(病気でない)
ここで、P(陽性|病気) = 0.6, P(病気) = 0.1, P(陽性|病気でない) = 0.05, P(病気でない) = 0.9 です。
計算すると。
P(陽性) = (0.6 * 0.1) + (0.05 * 0.9) = 0.06 + 0.045 = 0.105
したがって、A地方のある人がこの検査で陽性となる確率は、約10.5%です。
② A地方のある人がこの検査で陽性となったとき、実際は病気にかかっていない確率
次に、A地方のある人が陽性となった場合、実際には病気にかかっていない確率を求めます。これはベイズの定理を使って求めます。
ベイズの定理において、P(病気でない|陽性)を求める式は以下の通りです。
P(病気でない|陽性) = (P(陽性|病気でない) * P(病気でない)) / P(陽性)
ここで、P(陽性|病気でない) = 0.05, P(病気でない) = 0.9, P(陽性) = 0.105 です。
計算すると。
P(病気でない|陽性) = (0.05 * 0.9) / 0.105 = 0.045 / 0.105 = 0.4286
したがって、A地方のある人が陽性となったとき、実際に病気にかかっていない確率は約42.86%です。
まとめ
この問題は、確率の基本的な法則とベイズの定理を使って解くことができます。①で求めたA地方のある人が陽性となる確率は約10.5%であり、②で求めた陽性となったときに実際は病気にかかっていない確率は約42.86%です。これらの計算を通じて、検査結果に基づく確率を正確に理解し、解答することができます。
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