確率変数Xが1, 2, 3, …, nの値を等しい確率で取る場合、その期待値と分散を求める方法について解説します。確率変数の期待値と分散は、確率論の基礎的な概念であり、様々な確率問題を解く上で非常に重要です。この記事では、これらの計算方法をステップバイステップで説明します。
期待値の求め方
確率変数Xが1からnまでの値を等確率で取る場合、その確率はすべて1/nです。期待値(E[X])は、確率変数Xの各値にその確率を掛けて足し合わせることで求められます。式で表すと次のようになります。
E[X] = (1/n) * (1 + 2 + 3 + … + n)
ここで、1 + 2 + 3 + … + nは、1からnまでの整数の合計です。この合計は、数式で表すとn(n + 1) / 2
となります。したがって、期待値は次のように求められます。
E[X] = (1/n) * (n(n + 1) / 2) = (n + 1) / 2
分散の求め方
次に、分散(Var[X])を求めます。分散は、期待値からの偏差の二乗の平均を示します。分散の計算は、次の式で表されます。
Var[X] = E[X^2] – (E[X])^2
まず、E[X^2]を計算します。これは、Xの二乗値に対する期待値を求めることを意味します。Xが1, 2, 3, …, nの値を等確率で取る場合、E[X^2]は次のように計算されます。
E[X^2] = (1/n) * (1^2 + 2^2 + 3^2 + … + n^2)
1^2 + 2^2 + 3^2 + … + n^2は、次の公式で表されます:n(n + 1)(2n + 1) / 6
です。したがって、E[X^2]は次のように求められます。
E[X^2] = (1/n) * (n(n + 1)(2n + 1) / 6)
次に、分散を計算します。分散は、E[X^2]からE[X]の二乗を引くことで求められます。
Var[X] = E[X^2] – (E[X])^2
期待値と分散の最終的な式
まとめると、期待値と分散は次のように求められます。
E[X] = (n + 1) / 2
Var[X] = (n^2 – 1) / 12
実例での確認
例えば、n = 4の場合、期待値E[X]は次のように求められます。
E[X] = (4 + 1) / 2 = 2.5
また、分散Var[X]は次のように計算されます。
Var[X] = (4^2 – 1) / 12 = (16 – 1) / 12 = 15 / 12 = 1.25
まとめ
確率変数Xが1からnまでの値を等確率で取る場合、その期待値は(n + 1) / 2、分散は(n^2 – 1) / 12となります。これらの計算を理解することは、確率論の基本的な理解を深め、より複雑な問題にも対応できるようになるために重要です。
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