カントールの対角線論法についての解説

大学数学

カントールの対角線論法について理解できない方も多いかもしれません。特に「全ての実数を書き出した場合に、対角線上に新たな実数が存在するのはなぜか?」という疑問について、今回はその解説を行います。

カントールの対角線論法とは?

カントールの対角線論法は、実数の集合が可算でないことを証明するための方法です。簡単に言うと、実数は自然数のように順番に並べられないということを示すための論法です。

例えば、0と1の間の実数をリストアップしてみたとしましょう。全ての実数をリストに並べることができたと仮定します。しかし、カントールはここに矛盾があることを指摘します。

対角線論法の実際の仕組み

カントールの対角線論法では、無限に並べられた実数のリストの「対角線」を取り出し、それを変化させることで新たな実数が見つかることを示します。

具体的には、リストアップした各実数の小数部分を1桁ずつ取り出し、それぞれの数字を変更します。この変更によって、新しい実数が生まれ、最初に並べたリストに含まれていない実数ができるのです。

質問の誤解について

質問で「全て書き出しているのに新しい実数が生まれるのは矛盾している」とありますが、これはカントールの対角線論法の本質を誤解しています。実際には、リストに並べた全ての実数が含まれているわけではなく、対角線によって新たな実数が発見されるため、リストに含まれていない実数が確実に存在することが証明されます。

つまり、すべての実数を並べたつもりでも、対角線上に新たな実数が必ず登場するため、「全て書き出された」という前提が崩れます。

結論

カントールの対角線論法は、無限集合の性質を利用した非常に強力な証明方法です。この論法により、実数の集合が可算でない(自然数のように数え切れない)ことが証明されます。対角線によって新たな実数を作り出すという過程を理解することで、この問題に対する誤解を解くことができます。

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