水を加熱するために必要な時間を計算する方法:電熱器の効率を考慮した熱力学の問題

物理学

熱力学の問題で、水を1kWの電熱器で20℃から100℃まで加熱するために必要な時間を求める方法を解説します。この問題では、電熱器の効率が50%であることを考慮し、水の比熱を4.2[kJ/(kgK)]として計算を行います。以下の計算手順に従って、必要な時間を求めていきましょう。

問題の概要

水2kgを、1kW(1,000W)の電熱器で20℃から100℃に加熱するための時間を求めます。重要な点として、電熱器で発生する熱量の50%が有効に使用されること、また水は蒸発しないという条件があります。

まずは、基本的な熱量の計算式を使って、加熱に必要なエネルギーを求めます。

必要なエネルギーを計算する

水の加熱に必要なエネルギー(Q)は、次の式で求めることができます。

Q = m * c * ΔT

ここで、mは水の質量(kg)、cは水の比熱(4.2[kJ/(kgK)])、ΔTは温度差(T2 – T1)です。

この問題では、m = 2kg、c = 4.2[kJ/(kgK)]、T1 = 20℃、T2 = 100℃ですので、ΔT = 100℃ – 20℃ = 80℃となります。

したがって、必要なエネルギーは次のように計算できます。

Q = 2 * 4.2 * 80 = 672[kJ]

ここで求めた672[kJ]が、水を100℃まで加熱するために必要なエネルギーです。

電熱器の効率を考慮する

次に、電熱器の効率を考慮します。問題文では、電熱器が発生する熱量の50%が有効に使用されるとされています。このため、実際に電熱器から供給される熱量は、次のように計算できます。

供給される熱量 = 672[kJ] / 0.5 = 1,344[kJ]

実際には1,344[kJ]のエネルギーが必要となります。

加熱に必要な時間を求める

次に、加熱に必要な時間を求めます。電熱器の出力は1kW(1,000W)であり、1Wは1J/sに相当します。したがって、1,000Wは1,000J/sです。

エネルギーを時間で割ることで、加熱に必要な時間tを求めることができます。まずは、エネルギーをジュール(J)に換算します。

1,344[kJ] = 1,344,000[J]

次に、時間tを求めるための式を立てます。

t = エネルギー / 出力 = 1,344,000[J] / 1,000[J/s] = 1,344秒

したがって、加熱に必要な時間は1,344秒、つまり約22.4分です。

まとめ

この問題では、電熱器の効率を50%とし、水の比熱を4.2[kJ/(kgK)]として、2kgの水を20℃から100℃まで加熱するために必要な時間を計算しました。最終的に、必要な時間は約22.4分となります。このように、熱力学的な計算を用いて、エネルギー効率や時間を正確に求めることができます。

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