確率密度関数の問題では、関数が確率密度として成り立つための条件を満たすように定数を求め、その後、平均値や期待値を求める必要があります。この記事では、与えられた関数f(x)が確率密度関数になるように定数aを求める方法と、その時の平均E(x)を求める過程を詳細に解説します。
確率密度関数の条件
確率密度関数f(x)が成り立つためには、以下の2つの条件を満たさなければなりません。
- f(x) ≥ 0(全てのxに対してf(x)が非負であること)
- f(x)の積分(範囲:-∞から∞まで)が1であること
この問題では、与えられたf(x)が[-2, 2]の範囲で定義されているため、積分の範囲は[-2, 2]となります。まずは、この条件を確認しましょう。
関数f(x)の確認
与えられた関数は次のようになっています。
f(x) = { a|x^2 - x|, -2 <= x <= 2; 0, 上記以外 }
ここで、|x^2 - x|は絶対値です。まず、この関数が確率密度関数として成り立つために必要な定数aを求めます。
定数aを求めるための積分計算
確率密度関数の条件を満たすためには、次の積分が1になるようにaを求めます。
∫_{-2}^{2} a|x^2 - x| dx = 1
絶対値を含む関数は、xの範囲に応じて場合分けして計算する必要があります。まず、x^2 - xが0になる点を求めます。
x^2 - x = 0 ⇔ x(x - 1) = 0 ⇔ x = 0 または x = 1
したがって、x = 0とx = 1で関数の符号が変わります。これを考慮して積分を2つの区間に分けて計算します。
∫_{-2}^{0} a(-x^2 + x) dx + ∫_{0}^{2} a(x^2 - x) dx
積分の計算とaの求め方
それぞれの積分を計算しましょう。まず、区間[-2, 0]の積分を計算します。
∫_{-2}^{0} (-x^2 + x) dx = [-(x^3)/3 + (x^2)/2]_{-2}^{0} = 0 - [-( (-2)^3 )/3 + ((-2)^2)/2] = 0 - [8/3 + 2] = -14/3
次に、区間[0, 2]の積分を計算します。
∫_{0}^{2} (x^2 - x) dx = [(x^3)/3 - (x^2)/2]_{0}^{2} = [8/3 - 2] - 0 = 2/3
したがって、積分全体は次のようになります。
a(-14/3 + 2/3) = 1 ⇔ a(-12/3) = 1 ⇔ a = -1/4
平均E(x)の計算
次に、平均E(x)を求めます。平均E(x)は次の式で求められます。
E(x) = ∫_{-2}^{2} x f(x) dx
与えられたf(x)に従って、同様に積分を計算します。ここでもxの範囲に応じて場合分けを行い、計算を進めます。
∫_{-2}^{0} x (-x^2 + x) dx + ∫_{0}^{2} x (x^2 - x) dx
各区間を計算した後、最終的に平均E(x)が求められます。
まとめ
このように、確率密度関数が成り立つためには、定数aを積分の条件に従って求め、その後、平均E(x)を積分によって求めます。重要なのは、絶対値を含む関数を適切に場合分けし、積分を正確に計算することです。解法の流れをしっかりと理解し、練習を繰り返すことで、確率密度関数の問題に自信を持って取り組めるようになります。
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