北京語と広東語は別言語?違いを徹底解説

中国語

中国語と一口に言っても、実際には多くの方言・言語が存在します。中でもよく話題になるのが「北京語(普通話)」と「広東語」です。これらは同じ中国語の仲間でありながら、大きな違いがあります。では、別言語と考えてよいのでしょうか?

北京語(普通話)と広東語の基本的な位置づけ

北京語(普通話)は現在、中国本土の標準語として広く使われています。学校教育や公的機関、ニュース、ビジネスなどで使われるのがこの北京語です。一方、広東語は主に広東省、香港、マカオなどで使われる地域言語です。

どちらも漢字を使いますが、発音や文法、語彙に大きな違いがあります。特に話し言葉の違いは非常に大きく、北京語話者と広東語話者が互いに会話をすると、ほとんど通じない場合もあります。

発音の違い:声調の数も異なる

北京語は声調(声の高低の変化)が4つですが、広東語には一般的に6つから9つの声調があります。

例:
北京語:「馬(mǎ)」は3声
広東語:「馬(máh)」は異なる声調で発音される

声調が違うため、同じ漢字でも発音が全く異なり、相互理解が難しくなります。

語彙と文法の違い

日常会話で使われる単語もかなり異なります。

例:
北京語:「トイレ」= 厕所 (cèsuǒ)
広東語:「トイレ」= 廁所 (ci3 so2) または 廁所 (ce4 so2)

また、広東語では北京語にはない助詞や独特の言い回しが多く存在します。例えば「了(完了形)」の使い方や語順も異なる場合があります。

書き言葉は比較的似ている

一方、漢字で書かれた文章では、両者の差は小さくなります。ニュース記事や正式文書では標準中国語(北京語)に近い文体が使われるため、広東語話者も読解が可能です。ただし、香港やマカオでは繁体字が使われる点も特徴です。

学習面での違い

北京語を学べば中国本土のほとんどの地域で通用します。一方、広東語を学ぶと香港・マカオや広東省で非常に役立ちますが、他の地域では通じにくい場合もあります。

例:
旅行者が中国本土の上海で北京語を話す → 問題なく通じる
旅行者が広東語を話す → 一部地域を除き通じにくい

言語学上の位置づけ

言語学的には、北京語と広東語は同じ「漢語(中国語)」という大きな言語グループに属しますが、方言というより別の言語と捉える研究者も多いです。相互理解度が低く、発音体系・文法構造・語彙の違いも大きいためです。

まとめ

北京語と広東語は「別言語」と言って差し支えありません。同じ漢字文化を共有しているものの、発音や会話は大きく異なります。学ぶ目的や使用する地域によって、どちらを学ぶべきか検討することが大切です。

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