振幅変調波の電力に関する疑問:DSB(A3E)とSSB(J3E)の電力比較

工学

振幅変調波(AM)の電力計算について、特にDSB(A3E)とSSB(J3E)の電力差に関して、よく疑問が生じる点があります。この記事では、変調度m=1(100%)のとき、DSB(A3E)の電力とSSB(J3E)の電力についての計算式を通じて、その違いを解説します。

振幅変調波の基本概念

振幅変調波(AM)は、信号の振幅が伝送される情報を含んでおり、一般的にDSB(Dual Sideband)およびSSB(Single Sideband)の形式で送信されます。DSBは両方のサイドバンド(上側と下側)を使用しますが、SSBは片方のサイドバンドのみを使用します。これにより、SSBはDSBに比べて効率的に電力を使用することができます。

変調度m=1のときのDSB(A3E)電力計算

変調度mが1(100%)の場合、DSB(A3E)の電力は次のように計算されます。まず、キャリアの電力Pcを基に、変調波の副波部分を考慮した電力計算が行われます。

このとき、DSB(A3E)の全電力Pmは、キャリア電力Pcに加えて、副波部分の電力が加算され、次のように計算されます。

Pm = Pc + (1/4) * Pc + (1/4) * Pc = (6/4) * Pc

SSB(J3E)の電力とその計算方法

SSB(J3E)の場合、DSB(A3E)の半分の電力しか使用されません。これは、SSBが片側のサイドバンドのみを使用するため、エネルギー効率が良く、電力を節約できるためです。したがって、SSB(J3E)の電力は、DSB(A3E)の電力の1/6となります。

計算式としては、SSB(J3E)の電力Pssbは次のように表せます。

Pssb = Pm / 6 = (6/4) * Pc / 6 = (1/4) * Pc

なぜSSBはDSBの1/6の電力なのか?

DSB(A3E)は、キャリア波と2つのサイドバンドを使用しますが、SSB(J3E)はそのうち片方のサイドバンドだけを使うため、電力効率が向上します。このため、同じ変調度m=1の条件下でも、SSB(J3E)の電力はDSB(A3E)の1/6に抑えられるのです。

要するに、SSBの利点は、無駄なエネルギーを削減し、伝送効率を最大化することにあります。

まとめ

振幅変調波(AM)における電力計算を通じて、DSB(A3E)とSSB(J3E)の電力の違いについて理解することができます。SSBの1/6の電力という計算結果は、サイドバンドの効率的な使用がなせる技です。これらの知識を理解することで、より効率的な無線通信技術の理解が深まります。

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