絶対値の問題では、絶対値を含む式を解くときに「+−をつけて外す」方法や「場合分けをする」方法を使う場面がよくあります。しかし、なぜこれらの方法を使い分ける必要があるのか、具体的な例を通じて解説します。
絶対値記号を外す方法とその基本
絶対値記号を外す方法は、絶対値の定義に基づいています。一般的に、|x – a| = b の形で式が与えられた場合、bが正の数であれば、x – a = b または x – a = -b の2つの式に分けて解くことができます。このとき、右辺のbに±をつけて外すことで、解を得ることができます。
例えば、|x – 2| = 7という式の場合、x – 2 = 7 または x – 2 = -7 という2つの式に分けて解きます。これにより、x = 9 または x = -5 という解が得られます。
場合分けを使う理由
次に、2|x – 2| = x – 1のような式では、単純に+−をつけて外すのではなく、場合分けを行う必要があります。これは、絶対値の中の式が含まれているため、その式の値が正か負かによって解き方が異なるからです。
場合分けを行う理由は、絶対値が正負に関係なく、入力された式を常に非負の値に変換するという性質にあります。そのため、絶対値内の式が正の場合と負の場合で別々に考える必要があります。場合分けをすると、式の解が一貫して正しいものとして得られるのです。
場合分けの具体的な方法
式 2|x – 2| = x – 1 について考えます。まず、|x – 2|の中身が正か負かによって、2つのケースに分けて考えます。
1つ目のケースは、x – 2 ≥ 0、すなわちx ≥ 2の場合です。この場合、|x – 2| = x – 2となるため、式は2(x – 2) = x – 1となり、これを解くとx = 3が得られます。
2つ目のケースは、x – 2 < 0、すなわちx < 2の場合です。この場合、|x - 2| = -(x - 2)となるため、式は2(-(x - 2)) = x - 1となり、これを解くとx = 1が得られます。
+−をつけて外す方法と場合分けの使い分け
絶対値の式で+−をつけて外す方法と場合分けを使う方法の違いは、式の右辺に含まれている文字式によるものです。単純に定数が右辺にある場合は、+−をつけて外すことで解を得られますが、文字式が右辺にある場合は、場合分けを使う必要があります。
式に文字式が含まれていると、その式の値が正か負かによって解が異なる場合があるため、場合分けを行って式を整理することが求められます。これにより、解が矛盾しないようにすることができます。
まとめ
絶対値を含む問題を解く際、場合分けと+−をつけて外す方法の使い分けが重要です。定数が右辺にある場合は+−をつけて外すだけで解けますが、右辺に文字式がある場合は場合分けを行い、式の解を求める必要があります。場合分けを使うことで、式の解が正確で矛盾のないものとして得られるのです。
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