水準測量では、測定値の精度を向上させるために、誤差や地盤高の補正を行う必要があります。特に地盤高補正値を求める際に、どの距離を使用すべきか、またその計算方法に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、地盤高補正値の出し方や計算方法についてわかりやすく解説します。
水準測量における補正値とは?
水準測量で求められる補正値は、誤差を補正するために使われます。測定中に発生する誤差は距離によって累積し、最終的な測定値に影響を与えることがあります。この誤差を補正するために、補正値を計算して測定値に加えることが必要です。
補正値は、誤差の大きさと測定距離に基づいて求めます。誤差は通常、測定の際に発生する小さなずれとして考えられ、補正値を加えることでその影響を最小限に抑えることができます。
補正値の計算式
補正値を計算するための基本的な式は以下の通りです。
補正値 = -誤差 × (距離) ÷ 測点間の距離の合計
ここで重要なのは、( )に当てはまる距離が「始点から各測点までの距離」か「各測点間の距離」かという点です。
正しい計算を行うためには、誤差が測点間でどのように影響するかを理解することが大切です。誤差が測定全体に及ぼす影響を補正するために、各測点間の距離が加味される場合もあります。
地盤高測定値の求め方
地盤高補正値を求めた後、実際に地盤高測定値を求めるには、どのように計算するのでしょうか?ここではその方法を詳しく見ていきます。
まず、始点の地盤高測定値1から補正値1を引きます。補正値1は始点のため0となります。このようにして、最初の地盤高補正値が求められます。
その後、次の測点については、地盤高補正値1から測点の昇降を引いた値が地盤高測定値となります。
補正値の計算例
補正値の計算が実際にどのように行われるのか、具体的な例を挙げてみましょう。
例えば、誤差が5mmで測点間の距離の合計が500mの場合、補正値の計算は以下のようになります。
補正値 = -5mm × 500 ÷ 500 = -5mm
ここで、測点が50箇所ある場合に補正値を計算すると、一度にかなり多くの補正が必要となることがわかります。
補正の影響を抑えるための注意点
補正値を計算する際には、補正しすぎないように注意する必要があります。例えば、最後の場所の補正値が-5mmとなった場合でも、その前後の測点でも同じように補正を加えなければならないため、計算結果が不自然に大きくなることを避けるために注意が必要です。
補正値を過度に大きくしないように、各測定点の影響を適切に評価し、誤差の影響を最小限に抑えるような計算を行いましょう。
まとめ
水準測量における地盤高補正値は、誤差の影響を補正するために重要な計算ですが、適切な計算方法を理解し、過度に補正を加えないように注意することが大切です。補正値の計算には、誤差や距離の影響を十分に考慮し、地盤高測定値を正確に算出するために工夫を凝らしましょう。
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