渦巻ポンプと容積式ポンプは、それぞれ異なる構造と動作原理を持ち、吐出圧と電流値の関係においても異なる挙動を示します。この記事では、これら2種類のポンプの特性や吐出圧と電流値の関係について詳しく解説します。
渦巻ポンプの特性と吐出圧との関係
渦巻ポンプは、流体がポンプ内で渦巻きながら移動することで圧力を発生させるポンプです。渦巻ポンプは、出口を絞ることによって流量が減少しますが、液体はケーシング内で循環するため、ポンプ内に液体が逃げ道を持ちます。このため、吐出圧を上げても電流値は下がることが多いです。これは、圧力が上がっても流量が減少することにより、電力消費が減るためです。
容積式ポンプの特性と吐出圧との関係
一方、容積式ポンプは、ポンプ内の空間に液体を収容し、その空間を押し出すことによって圧力を発生させます。容積式ポンプには逃げ道がなく、すべての液体が押し出されます。このため、出口を絞るとポンプ内部の液体が圧縮され、トルクが増加します。吐出圧が上がると、ポンプを回転させるための力が増えるため、電流値も上昇する傾向があります。
渦巻ポンプの全閉運転と容積式ポンプのリリーフバルブ
渦巻ポンプは、短時間であれば全閉運転が可能です。流量が減ることでポンプ内での液体の循環が維持されるため、大きな問題にはならないことが多いです。しかし、容積式ポンプは全閉運転において、液体がすべて押し出されるため、圧力が非常に高くなり、配管破裂などのリスクが生じる可能性があります。そのため、容積式ポンプにはリリーフバルブが設けられ、圧力が一定値を超えた場合に安全に圧力を逃がす仕組みが必要です。
吐出圧と電流値の関係の補足情報
一般的に、ポンプの吐出圧と電流値の関係は、ポンプの種類や使用条件に依存します。渦巻ポンプは流量が減少しても比較的安定した動作ができるため、電流値が下がることがありますが、容積式ポンプは圧力の上昇と共に電流値が増加します。これらの関係を理解することで、ポンプの選定や運用において適切な判断ができるようになります。
まとめ
渦巻ポンプと容積式ポンプは、同じポンプとしては異なる挙動を示し、吐出圧と電流値の関係もそれぞれ異なります。渦巻ポンプは出口を絞っても電流値が下がることがありますが、容積式ポンプは圧力が上がることで電流値も増加します。また、容積式ポンプは全閉運転時にリリーフバルブが必要となるため、安全に使用するための配慮が求められます。
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