花こう岩、玄武岩、かんらん岩の化学組成と密度との関係

地学

花こう岩、玄武岩、かんらん岩は、地球のマントルや地殻を構成する主要な岩石であり、それぞれ異なる化学組成を持っています。この記事では、これらの岩石の化学組成の割合を解説し、さらに岩石の化学組成と密度との関係についても説明します。

花こう岩の化学組成

花こう岩は主にケイ酸塩鉱物から構成され、主にクォーツ(SiO2)、フェルドスパー(KAlSi3O8、NaAlSi3O8)、および少量の黒雲母(Biotite)を含みます。化学組成としては、約70%がSiO2であり、酸化アルミニウム(Al2O3)や酸化鉄(Fe2O3)も含まれます。

花こう岩は地殻の上部に多く見られ、比較的低い密度(約2.6 g/cm³)を持っています。そのため、浮力を持ち、海底の地殻と比較して厚くなることが多いです。

玄武岩の化学組成

玄武岩は、花こう岩と比較して鉄やマグネシウムを多く含むため、より暗い色をしています。主な構成鉱物は、斜長石、輝石(Pyroxene)、およびオリビンを含みます。化学組成では、SiO2の含有率は約45~55%で、鉄(FeO)やマグネシウム(MgO)が豊富に含まれます。

玄武岩は、地球の海洋地殻を構成する主成分であり、比較的高い密度(約3.0 g/cm³)を持っています。これは鉄やマグネシウムが多いため、より重い特性を示します。

かんらん岩の化学組成

かんらん岩は、主にオリビンと輝石から構成される岩石で、非常にマグネシウムと鉄を多く含んでいます。SiO2の含有率は約40%以下で、オリビン(Fe2SiO4)が主要な鉱物です。また、かんらん岩には少量のカンラン石(Olivine)や輝石(Pyroxene)が含まれます。

かんらん岩は、地球のマントルに多く存在し、高い密度(約3.3~3.4 g/cm³)を持っています。この高い密度は、鉄やマグネシウムが豊富に含まれているためです。

化学組成と密度の関係

岩石の化学組成と密度には強い相関関係があります。一般的に、鉄やマグネシウムを多く含む岩石ほど密度が高くなります。これは、これらの元素が重いため、岩石全体の質量が増加するためです。

例えば、玄武岩やかんらん岩は鉄とマグネシウムが豊富で、これらの岩石の密度は3.0 g/cm³以上です。一方、花こう岩はSiO2が多く、密度は2.6 g/cm³程度と低めです。これにより、異なる岩石が地殻で異なる位置に存在することが分かります。

まとめ

花こう岩、玄武岩、かんらん岩は、それぞれ異なる化学組成と密度を持ち、地球の地殻やマントルの構造に重要な役割を果たしています。花こう岩はSiO2を多く含み、比較的低密度ですが、玄武岩やかんらん岩は鉄やマグネシウムが豊富で高密度です。これらの特徴は、地球の内部構造や地殻の性質に直接的な影響を与えています。

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