酢酸エチルの反応とけん化の過程について解説

酢酸エチルは、ヨードホルム陰性の化合物として知られていますが、水酸化ナトリウムを加えることで反応が進行し、けん化反応が起きることが知られています。この反応過程では酢酸エチルがエタノールと酢酸ナトリウムに分解されるのですが、これがどのようにして起こるのかについて詳しく解説します。

酢酸エチルとけん化反応

酢酸エチル（C2H5COOCH2CH3）はエステル化合物で、アルコールと酸が反応して生成されます。酢酸エチルに水酸化ナトリウム（NaOH）を加えると、けん化反応が起こります。この反応により、酢酸エチルは酢酸ナトリウムとエタノールに加水分解されます。

けん化反応の式は次の通りです。

C2H5COOCH2CH3 + NaOH → C2H5COONa + CH3CH2OH

この反応において、エタノール（CH3CH2OH）は、酢酸エチルが加水分解されることによって生成される生成物の一つです。エタノールは、陽性反応を示す化合物であるため、反応後に陽性反応を示すことが考えられます。

ヨードホルム反応は、アルコールに特定の条件下でヨウ素と水酸化ナトリウムを加えると、黄色の結晶性物質であるヨードホルム（CHI3）が生成される反応です。エタノール（CH3CH2OH）はヨードホルム反応を陽性で示します。

このため、酢酸エチルが水酸化ナトリウムでけん化されてエタノールが生成されると、そのエタノールはヨードホルム反応を陽性に示すことになります。つまり、エタノール自体が陽性を示すので、ヨードホルム陰性である酢酸エチルの反応によっても、最終的には陽性反応が得られることが理解できます。

酢酸エチルは水酸化ナトリウムによるけん化反応でエタノールと酢酸ナトリウムに分解され、エタノールはヨードホルム反応を陽性に示します。したがって、酢酸エチルをけん化反応させた後、生成されるエタノールは陽性反応を示し、その結果として、元々の酢酸エチルのヨードホルム陰性が変化することになります。