化学実験では、混合物中の成分を分析することが重要です。ここでは、2.32gの水酸化ナトリウム(NaOH)と水酸化カリウム(KOH)の混合物を、水に溶かして1.00mol/Lの塩酸で中和する実験に基づいて、混合物中に含まれる水酸化ナトリウムの量を求める方法について説明します。
問題の設定
水酸化ナトリウム(NaOH)と水酸化カリウム(KOH)の混合物が2.32gあります。この混合物を水に溶かし、1.00mol/Lの塩酸で中和するのに50.0mLの塩酸が必要であったとします。この情報をもとに、水酸化ナトリウムの質量を求めます。
ステップ1: 中和反応の式を理解する
水酸化ナトリウムと水酸化カリウムはともに強い塩基で、塩酸とは1:1のモル比で中和反応を行います。したがって、NaOHとHCl、KOHとHClの反応は次のように表されます。
NaOH + HCl → NaCl + H2O
KOH + HCl → KCl + H2O
ステップ2: 中和に必要なモル数を求める
1.00mol/Lの塩酸50.0mLを使ったため、使用した塩酸のモル数は次のように計算できます。
使用した塩酸のモル数 = mol/L × L = 1.00mol/L × 50.0mL × (1L/1000mL) = 0.0500mol
ステップ3: 反応に必要なNaOHとKOHのモル数を求める
NaOHとKOHは塩酸と1:1で中和するため、使用した塩酸のモル数(0.0500mol)はNaOHとKOHのモル数の合計となります。
NaOHのモル数をxとすると、KOHのモル数は0.0500 – xとなります。
ステップ4: 質量の関係式を作成する
NaOHのモル質量は40.0g/mol、KOHのモル質量は56.0g/molです。これらを使って、次の式を立てます。
NaOHの質量 = x × 40.0
KOHの質量 = (0.0500 – x) × 56.0
これらの質量の合計は2.32gであるため、次の式が成立します。
x × 40.0 + (0.0500 – x) × 56.0 = 2.32
ステップ5: 方程式を解く
この方程式を解くことで、xの値(NaOHのモル数)を求めることができます。
40.0x + 56.0(0.0500 – x) = 2.32
40.0x + 2.80 – 56.0x = 2.32
-16.0x = -0.48
x = 0.0300mol
ステップ6: NaOHの質量を求める
NaOHのモル数が0.0300molであることがわかったので、NaOHの質量は次のように計算できます。
NaOHの質量 = 0.0300mol × 40.0g/mol = 1.20g
まとめ
したがって、この混合物中の水酸化ナトリウムの質量は1.20gであることがわかりました。この方法では、反応に関わる化学式とモル数の関係を使って、混合物中の成分を求めることができます。
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