第二種電気工事士の試験では、電動機が接続された単相2線式の低圧屋内幹線の太さを決定する際に、電流の最小値を求める問題が出題されます。この問題に関して、合計消費電力や負荷電流の関係を理解することが重要です。この記事では、問題に登場する式やその意味について、わかりやすく解説します。
問題の概要:幹線の太さを決定する電流の最小値
問題では、定格電流10Aの電動機が5台接続された単相2線式の低圧屋内幹線が与えられています。需要率は80%とし、幹線の太さを決定するための電流の最小値を求める問題です。まず、合計消費電力や負荷電流について理解し、計算方法を確認します。
定格電流10Aの電動機が5台接続されているため、合計定格電流は10A×5 = 50Aとなります。しかし、問題文において、負荷電流として40Aが示されており、なぜこの数値が使われるのかが疑問に思われるかもしれません。
負荷電流とは?
負荷電流(Im)は、実際に機器が運転している状態で流れる電流のことです。定格電流は、電動機が最大容量で運転する場合の電流ですが、実際の運転では必要な電力(消費電力)に応じて電流は変動します。
問題で示された「負荷電流40A」は、需要率80%に基づいて計算されたものであり、実際に運転している状態で流れる電流を示します。定格電流が50Aであっても、運転時には必要な電力に応じて流れる電流は40Aに減少します。
幹線の許容電流を求める式:1.25×Im + Ih
幹線の許容電流を求める式は、1.25×Im + Ih です。ここで、Imは負荷電流、Ihは幹線のヒューズ電流や他の設備に関連する電流です。
負荷電流Imが40Aであれば、幹線の許容電流は1.25×40A = 50Aとなり、さらに他の設備の電流Ihを加えることで、幹線の太さを決定するための必要な電流が計算できます。このようにして、幹線の適切な太さを決定するための基準となる電流を求めます。
なぜ定格電流の合計が40Aになるのか?
疑問に思われるかもしれませんが、定格電流の合計が50Aであるにも関わらず、負荷電流として40Aが使われている理由は、実際の運転条件を反映させるためです。定格電流は、最大の運転状態での電流を指しており、常にその通りに電流が流れるわけではありません。
実際に機器が運転している場合、需要率や運転条件によって必要な電流は異なります。この場合、40Aという負荷電流が必要な電流として計算に使われ、幹線の太さを決定するために適切な値が導き出されます。
まとめ
第二種電気工事士の問題で、幹線の太さを決定する電流の最小値を求める際、負荷電流40Aを使用する理由は、定格電流が最大運転時の電流であるのに対し、実際の運転条件に基づく電流を反映するためです。この負荷電流を基にして、幹線の許容電流を求め、適切な太さを決定します。これにより、電気工事における安全性と効率が確保されます。
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