定理6(c)から定理5への理解:順序集合における極大元の存在について

大学数学

松坂和夫『集合・位相入門』の定理6(c)と定理5の関連について理解することは、順序集合の理論を深く理解するために重要です。ここでは、定理6(c)の条件から定理5に結びつく理由を解説します。

問題の背景

質問者は、定理6(c)と定理5がどのように関連しているかについて疑問を抱いています。定理6(c)は、順序集合Aでその任意の空でない全順序部分集合が上に有界ならばAは極大元を持つ、という内容です。一方、定理5は、任意の空でない全順序部分集合が上限を持つならばAは極大元を持つ、と述べています。

定理6(c)の内容の理解

定理6(c)では、順序集合Aにおいて、全順序部分集合が上に有界であるとき、極大元の存在が保証されることが言われています。この「上に有界」とは、各部分集合がある上限を持つことを意味しています。

上限を持つということは、ある実数で言う最大値が存在する、またはそれに近い値が存在するということです。この性質により、極大元が確定する理由が分かります。

定理5の内容の理解

定理5は、順序集合において、全順序部分集合が上限を持つならば、極大元が存在すると述べています。上限を持つことが意味するのは、各部分集合が有限でない場合でも、必ず上限に近い値が存在するということです。

したがって、定理5では、上限の存在が極大元の存在を保証する一つの理由として機能します。上限があれば、その上限が最大の値となり、極大元が存在することになります。

定理6(c)から定理5への遷移

定理6(c)の「上に有界」の条件から「上限を持つ」ことが示される理由は、部分集合が上に有界であれば、必ずその部分集合における上限が存在するからです。上に有界であるということは、その部分集合が収束する上限を持つことを意味します。

このため、定理6(c)の条件が満たされれば、必然的に上限が存在し、その結果、定理5が保証するように、極大元が存在することが確定します。

まとめ

定理6(c)の「上に有界」条件が、定理5の「上限を持つ」ことにつながり、最終的に極大元の存在を証明するという流れを理解することができました。順序集合におけるこれらの定理の関係を把握することで、集合論や位相空間の理論における重要な概念を深く理解することができます。

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