展開と分配法則の違いについてわかりやすく解説

数学における「展開」と「分配法則」は一見似ているように思えますが、実は異なる概念です。この2つの違いを理解することは、数学の問題を解く上で非常に重要です。本記事では、それぞれの概念を丁寧に解説し、違いを明確にします。

1. 展開とは？

展開とは、数式の中で括弧を外す操作を指します。例えば、式が (a + b) * (c + d) だとした場合、展開することで括弧を外してそれぞれの項を掛け算し、結果を足し算で表現します。

展開の具体例を見てみましょう。

(a + b)(c + d) = ac + ad + bc + bd

分配法則は、掛け算において、ある数が足し算の項に分配されることを意味します。例えば、a * (b + c) の場合、a を b と c の両方に掛けることが分配法則にあたります。

分配法則の具体例を示すと。

a(b + c) = ab + ac

展開と分配法則は似ているものの、異なる操作です。展開は、掛け算と足し算が組み合わさった式をそのまま表現する作業です。一方、分配法則は掛け算が足し算の項に適用されることを示す基本的な法則です。

言い換えれば、分配法則は展開を行うためのルールの一部とも言えます。つまり、分配法則を使って式を展開するのです。

例えば、(x + 2)(x – 3) を展開したいとき、まず分配法則を使って各項に掛け算をしていきます。

(x + 2)(x – 3) = x(x – 3) + 2(x – 3) = x² – 3x + 2x – 6

これを簡単にすると。

x² – x – 6

このように、分配法則を使って展開を行い、最終的に括弧の外に出すことができます。

展開と分配法則は密接に関連しているものの、それぞれ異なる役割を果たしています。展開は数式を開いていく操作であり、分配法則は掛け算を足し算に適用する基本的な法則です。分配法則を使って展開を行うことで、複雑な式を簡単に扱うことができます。