古文を読んでいると、「よし(由)」「ゆゑ(故)」「やう(様)」「さま(様)」のように、現代語では似た意味に感じる言葉が登場します。どれも「理由」「様子」「方法」などに関係するため、違いが分かりにくい単語です。
しかし、それぞれの言葉が持つ中心的なイメージを理解すると、文章中での意味を判断しやすくなります。
この記事では、古文単語として頻出する「よし・ゆゑ・やう・さま」の意味の違いや、入試で迷わないための覚え方を具体例とともに解説します。
古文の「よし・ゆゑ・やう・さま」は何が違うのか
「よし・ゆゑ・やう・さま」は、現代語訳すると似た言葉になることがありますが、もともとの意味の中心が異なります。
簡単に整理すると、次のようなイメージになります。
| 古文単語 | 中心となる意味 | 覚え方 |
|---|---|---|
| よし(由) | 理由・事情・方法・趣 | 「そうなるわけ(由)」 |
| ゆゑ(故) | 理由・原因・わけ | 「原因があるから」 |
| やう(様) | 方法・様子・理由 | 「やり方や状態」 |
| さま(様) | 様子・姿・状態 | 「見た目やあり方」 |
特に「よし」と「ゆゑ」はどちらも「理由」と訳せるため、違いを意識することが重要です。
「よし(由)」の意味と使い方
「よし」は古文で非常によく登場する言葉で、主に「理由」「事情」「方法」「趣」といった意味があります。
基本的なイメージは、「物事の背景にあるもの」です。なぜそうなったのか、その事情やわけを表します。
例えば「言ふよしあり」という表現では、「言う理由がある」「言う事情がある」という意味になります。
また、「よしなし」という形では「理由がない」「つまらない」「方法がない」という意味になることもあります。
「よし」の覚え方
「よし」は「由」という漢字から覚えると便利です。「由来」という言葉にもあるように、物事の起こった理由や背景を表すと考えます。
つまり、「その理由や事情の由(よし)は何か」と考えると、文章の意味を取りやすくなります。
「ゆゑ(故)」の意味と使い方
「ゆゑ」は主に「理由」「原因」「わけ」という意味で使われます。「よし」と似ていますが、より原因や根拠に重点があります。
例えば「親のゆゑに苦しむ」という場合、「親が原因で苦しむ」という意味になります。
「ゆゑ」は、何か結果があり、その原因を説明するときに使われることが多い言葉です。
「ゆゑ」の覚え方
「故」という漢字には、「故障」「事故」「故あって」のように原因や理由を表す意味があります。
そのため、「ゆゑ=何かが起こった原因」と覚えると判断しやすくなります。
「やう(様)」の意味と使い方
「やう」は現代語の「よう」と同じように、幅広い意味を持つ古文単語です。主な意味は「方法」「様子」「理由」です。
例えば「逃ぐるやうもなし」は、「逃げる方法もない」という意味になります。
また、「かくのごときやうなり」のように、「このような様子だ」という意味で使われることもあります。
「やう」の覚え方
「やう」は現代語の「~のように」とつながるため、「物事の形や方法」と覚えるとよいです。
「どういうやり方なのか」「どんな状態なのか」を考えると、「やう」の意味を判断できます。
「さま(様)」の意味と使い方
「さま」は主に「様子」「姿」「状態」を表します。目で見える状態や、人のあり方を表す場合によく使われます。
例えば「悲しげなるさまを見る」は、「悲しそうな様子を見る」という意味になります。
また、「有様(ありさま)」という言葉にも残っているように、物事の状態や姿を表す言葉です。
「さま」の覚え方
「さま」は「様子」という言葉の一部として現代語にも残っています。そのため、「見える姿や状態」と覚えると分かりやすくなります。
「よし・ゆゑ・やう・さま」の見分け方
文章中で迷った場合は、その言葉が何を説明しているのかを見ることが大切です。
- 原因や理由を説明している→ゆゑ
- 事情や背景、趣を表している→よし
- 方法や状態を表している→やう
- 見た目や姿、様子を表している→さま
例えば、「なぜそうなったのか」を説明しているなら「ゆゑ」、「どんな状態なのか」を表しているなら「さま」と判断できます。
ただし、古文では文脈によって意味が変化するため、単語だけではなく前後の内容を見ることが重要です。
まとめ
古文の「よし・ゆゑ・やう・さま」は、どれも現代語では似た表現になることがありますが、中心となる意味は異なります。
「よし」は事情や理由、「ゆゑ」は原因やわけ、「やう」は方法や状態、「さま」は姿や様子と覚えると整理しやすくなります。
古文単語は単純な日本語訳だけで暗記するよりも、言葉が持つ基本イメージを理解することで、初見の文章でも意味を判断できるようになります。


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