現代の“お金持ち”とは？資産5億円で得られる自由の実態

「お金持ち」と聞くと、誰もがそれぞれに違ったイメージを持つかもしれませんが、近年では“自由になる資産”として5億円を一つの目安にする声も多く聞かれます。この記事では、資産5億円が実際にどの程度の自由をもたらすのかを、現代の経済状況や生活スタイルを踏まえて解説します。

お金持ちの定義は時代と共に変わる

一昔前まで「1億円あれば一生安泰」と言われていましたが、インフレや長寿社会の進行、価値観の多様化などにより、その基準は大きく変化しています。特に都市部では、1億円の資産でも“富裕層”とは言い難い現実があります。

野村総合研究所の調査では、日本の純金融資産が5億円以上の世帯を「超富裕層」と定義しており、自由になる資産という観点でもこのラインが注目されています。

資産5億円を保有していれば、一般的な生活を大幅に超えるライフスタイルが可能です。たとえば、年間の生活費を2,000万円と想定しても、運用益のみでまかなえる可能性があります（利回り4%想定で年間2,000万円）。

この資産規模では、住宅・教育・医療・旅行など、人生のほぼ全ての選択肢に“妥協”をしなくて済むことが自由度の高さを示しています。

注意すべきは「自由になる資産」という言葉の意味です。総資産が5億円でも、その大半が不動産など換金しにくい資産だと、流動性に乏しく生活の自由度は下がる可能性があります。

たとえば、都心にあるビルを所有していて評価額が高くても、収益が出ていなければ生活費に使うことはできません。現金や有価証券など、すぐに使える資産がどれほどあるかも「自由度」を左右する重要な指標です。

経済的な自由がもたらす最大のメリットは「選択の自由」です。働くかどうか、どこに住むか、どんな教育を受けるか、すべてを自分で選ぶことができるという安心感は、お金による最も大きな恩恵の一つといえるでしょう。

また、リスク許容度が高くなるため、起業や投資などの挑戦もしやすく、資産を守るだけでなく増やすチャンスも広がります。

現在の経済状況を踏まえると、自由になる資産が5億円というのは“お金持ち”といえる十分なラインといえるでしょう。単なる金額だけでなく、それが自由に使えるか、生活にどのような影響を与えるかを考えることが大切です。

今後は、資産だけでなく「自由度」や「人生の質」という観点で“お金持ち”を捉える価値観がより広まっていくことでしょう。