ベクトルa×b=0ならaとbは平行?a×b=0⇔a=kbの証明をわかりやすく解説

数学

ベクトルの外積(ベクトル積)について学ぶと、「2つのベクトルの外積が0ベクトルになる条件」と「2つのベクトルが平行である条件」が同じになることがあります。特に「a×b=0ならばa=kbといえるのか」という疑問は、ベクトルの重要な性質を理解する上で大切なポイントです。

この記事では、ベクトルaとbについて「a×b=0ベクトル⇔a=kb(kは定数)」が成り立つ条件や証明方法を、具体例を交えながら解説します。

外積a×bと平行条件の関係

3次元ベクトルにおける外積(ベクトル積)a×bは、ベクトルaとbの両方に垂直なベクトルとして定義されます。

外積の大きさは、2つのベクトルのなす角をθとすると、次の式で表されます。

|a×b|=|a||b|sinθ

ここで、a×bが0ベクトルになるということは、その大きさが0になることを意味します。

したがって、|a||b|sinθ=0となります。ベクトルa、bがともに0ベクトルではない場合、|a|と|b|は0ではないため、sinθ=0になります。

sinθ=0となるのはθ=0°または180°のときなので、2つのベクトルは同じ方向または反対方向を向いています。つまり、aとbは平行です。

平行ならばa=kbとなることの証明

次に、aとbが平行であるとき、a=kbと表せることを確認します。

ベクトルaとbが平行であるとは、一方が他方の定数倍になっていることを意味します。つまり、ある実数kが存在して、

a=kb

と書けます。

例えば、b=(1,2,3)というベクトルがあり、a=(2,4,6)であれば、a=2bとなります。この場合、aとbは同じ方向を向いているため平行です。

また、aがbと逆方向を向いている場合でも、kが負の値になるだけです。

例えば、a=(-3,-6,-9)、b=(1,2,3)ならば、a=-3bとなり、やはりaとbは平行です。

a×b=0からa=kbを導く証明

a×b=0ベクトルとします。

外積の大きさについて、

|a×b|=|a||b|sinθ

が成り立ちます。

a×b=0ベクトルなので、

|a×b|=0

です。

よって、

|a||b|sinθ=0

となります。

aとbが0ベクトルではないと仮定すると、|a|≠0、|b|≠0なので、

sinθ=0

となります。

したがって、θ=0°または180°であり、aとbは平行です。

平行な2つのベクトルは必ず一方を他方の定数倍で表せるため、

a=kb

が成立します。

逆にa=kbならa×b=0になることの証明

逆方向の証明も確認します。

a=kbとします。このとき外積の性質より、

a×b=(kb)×b

となります。

外積は定数を外に出せるので、

a×b=k(b×b)

となります。

同じベクトル同士の外積は0ベクトルになるため、

b×b=0

です。

したがって、

a×b=k×0=0

となります。

よって、a=kbならば必ずa×b=0ベクトルです。

注意点:0ベクトルを含む場合

ここで注意が必要なのは、0ベクトルを含む場合です。

例えばa=0ベクトルの場合、a×b=0ベクトルは必ず成立します。しかし、a=kbという形にするには、bが0ベクトルでない場合はk=0とすればよいため問題ありません。

一方で、aもbも0ベクトルの場合は、どんなkでもa=kbが成立します。

したがって、一般的なベクトルの議論では「aとbが0ベクトルでない場合」を条件として扱うことが多くあります。

まとめ|a×b=0とa=kbは平行を表す同値な条件

0ベクトルではない2つのベクトルa、bについては、

a×b=0ベクトル⇔aとbは平行⇔a=kb(kは定数)

という関係が成立します。

外積が0になる理由は、2つのベクトルのなす角が0度または180度になり、sinθが0になるためです。そして平行なベクトルは必ず一方を他方の定数倍で表せるため、a=kbという形になります。

この性質は、ベクトルの平行判定や三次元空間の図形問題などで頻繁に利用される重要な考え方です。

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