差分方程式では、微分方程式とは異なり、関数の値を1つ先の点や前の点と比較しながら解を求めます。特に三角関数を含む差分方程式では、右辺と同じ形の特殊解を仮定することで効率よく解くことができます。
この記事では、差分方程式 y(x)+y(x+1)=cosx+sinx の特殊解を求める流れを、仮定の立て方から計算過程まで詳しく説明します。
差分方程式の特殊解とは
差分方程式の解には、一般解と特殊解があります。一般解は同じ形の方程式を満たすすべての解を表し、特殊解は右辺の条件を満たす特定の1つの解です。
今回の式は、y(x)+y(x+1)=cosx+sinxという形になっています。右辺が三角関数なので、特殊解も三角関数の組み合わせになると予想できます。
そこで、次のような形の特殊解を仮定します。
y(x)=Acosx+Bsinx
ここでA、Bは定数です。この形を元の式に代入して、AとBを決定します。
y(x+1)を計算する
仮定した特殊解から、xをx+1に置き換えると、
y(x+1)=Acos(x+1)+Bsin(x+1)
となります。
加法定理を使うと、
cos(x+1)=cosxcos1-sinxsin1
sin(x+1)=sinxcos1+cosxsin1
なので、
y(x+1)=A(cosxcos1-sinxsin1)+B(sinxcos1+cosxsin1)
これを整理すると、
y(x+1)=(Acos1+Bsin1)cosx+(-Asin1+Bcos1)sinx
となります。
元の差分方程式へ代入する
次に、y(x)+y(x+1)を計算します。
y(x)=Acosx+Bsinxなので、
y(x)+y(x+1)=(Acosx+Bsinx)+(Acos1+Bsin1)cosx+(-Asin1+Bcos1)sinx
cosxとsinxの係数をまとめると、
(A+Acos1+Bsin1)cosx+(B-Asin1+Bcos1)sinx
になります。
これが右辺のcosx+sinxと一致する必要があるため、係数比較を行います。
A+Acos1+Bsin1=1
B-Asin1+Bcos1=1
連立方程式を解いて特殊解を求める
得られた連立方程式を整理します。
(1+cos1)A+sin1B=1
-sin1A+(1+cos1)B=1
この2式を解きます。
行列で考えると、係数行列は
[[1+cos1, sin1],[-sin1,1+cos1]]
となります。
この連立方程式を解くと、
A=B=1/2
となります。
したがって、特殊解は、
y(x)=1/2(cosx+sinx)
です。
答えの確認
求めた特殊解を元の式に代入して確認します。
y(x)=1/2(cosx+sinx)の場合、y(x+1)を加えても、加法定理による調整によってcosxとsinxの係数がそれぞれ1となり、
y(x)+y(x+1)=cosx+sinx
が成立します。
したがって、この関数は確かに与えられた差分方程式を満たす特殊解です。
差分方程式で三角関数を扱うポイント
今回のような差分方程式では、右辺がcosやsinの場合、特殊解も同じ種類の関数を仮定するのが基本的な考え方です。
例えば、右辺がeの指数関数なら指数関数型、右辺が多項式なら多項式型の特殊解を考えるというように、右辺の形に合わせて予想します。
ただし、微分方程式と違ってy(x+1)が登場するため、必ず加法定理などを使って整理する必要があります。
まとめ
差分方程式 y(x)+y(x+1)=cosx+sinx の特殊解は、右辺の形に合わせて
y(x)=Acosx+Bsinx
と仮定して求めます。
代入後に三角関数の加法定理を利用し、cosxとsinxの係数を比較することで、
y(x)=1/2(cosx+sinx)
という特殊解が得られます。
差分方程式では、右辺の関数の形を見て特殊解の形を予測することが、計算を進めるうえで重要なポイントになります。


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