三相200VでS-T間だけ10Vになる原因とは?欠相・電圧異常の確認方法を解説

工学

三相電源を測定した際に「R-S間とR-T間は200Vなのに、S-T間だけ10Vしかない」という現象が起こることがあります。このような電圧差は、三相交流設備では正常な状態とは言えず、原因を正しく切り分ける必要があります。

この記事では、三相200V回路で一部の線間電圧だけ低下する理由や、各線とアース間で100Vになる意味、考えられる故障原因について分かりやすく解説します。

三相200Vの正常な電圧関係

一般的な三相200V電源では、3本の電線をR相・S相・T相と呼びます。正常な状態では、それぞれの線間電圧はほぼ同じ値になります。

測定箇所 正常な目安
R-S間 約200V
R-T間 約200V
S-T間 約200V
各相-アース間 約100V(対地電圧)

そのため、R-Sが200V、R-Tが200VなのにS-Tだけ10Vという状態は、三相のうちS相またはT相に異常が発生している可能性があります。

S-T間だけ電圧が低い理由

S-T間だけ10Vになる代表的な原因として、S相またはT相の欠相(電源が正常に供給されていない状態)が考えられます。

例えば、S相の電線が断線していた場合、R-S間では本来の電圧が測定できなくなることが多いですが、測定条件や回路の状態によっては見かけ上電圧が出る場合があります。

また、開閉器の接点不良、端子の緩み、ヒューズ断線、電力会社側の配電設備異常などでも、一部の線間電圧だけ低下することがあります。

なぜR-SやR-Tでは200Vが測定できるのか

S相またはT相に問題がある場合でも、R-S間やR-T間で電圧が表示されることがあります。これは、電圧計が実際の負荷電流ではなく、電位差を測定しているためです。

例えば、ある相が完全に切れている場合でも、他の回路や機器を経由した回り込み電圧(誘導電圧)が発生することがあります。

また、テスターなどの高入力抵抗の測定器では、実際には十分な電流を流せない微弱な電圧でも表示される場合があります。そのため、表示された電圧だけで「正常に通電している」と判断することは危険です。

各相をアースにつなぐと100Vになるのは正常なのか

三相200Vの電源では、各相と接地間の電圧が約100Vになる方式があります。これは三相電源の中性点や接地方式による一般的な状態です。

したがって、R・S・Tそれぞれとアース間を測定して100V程度になること自体は異常とは限りません。

ただし、今回のようにS-T間だけ10Vという線間電圧の異常が同時に発生している場合は、単純に「100V出ているから問題ない」と判断することはできません。

考えられる原因と確認ポイント

今回のような測定結果の場合、考えられる原因はいくつかあります。

  • 電力会社側の三相配電設備の異常
  • 引込線や接続部分の断線・接触不良
  • 開閉器内部の接点不良
  • 端子部の緩みや焼損
  • 測定方法や測定器による誤差

特に、取合い部分の開閉器を切っても同じ測定値になる場合、負荷側ではなく電源側で異常が発生している可能性があります。

電力会社との取合い点より上流側に問題がある場合、契約者側で修理することはできないため、電力会社へ調査を依頼する必要があります。

三相電源の異常を判断するときの注意点

三相電源では、単純に電圧が表示されるかどうかだけでは判断できません。重要なのは、3つの線間電圧が均等であるか、負荷を接続した状態でも電圧が維持されるかという点です。

例えば、無負荷状態では200V近く表示されても、機械を動かした瞬間に電圧が大きく低下する場合は、接触不良や欠相の可能性があります。

また、三相設備の確認は感電や機器破損の危険があるため、電気工事士など有資格者による点検が推奨されます。

まとめ|S-T間だけ低い場合は三相電源の異常を疑う

三相200VでR-S間とR-T間が200V、S-T間だけ10Vになる場合、正常な状態ではなく、S相またはT相の欠相や接触不良などが疑われます。

各相とアース間で100Vが測定されることは方式によっては正常ですが、それだけで電源全体が正常とは判断できません。

原因が電力会社側なのか設備側なのかを判断するには、取合い点での詳細な測定が必要です。異常な電圧状態を放置すると機器故障につながる可能性があるため、早めに電力会社や有資格者へ確認を依頼することが重要です。

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