「存じません」と「存じ上げません」の違いとは?正しい使い分けと敬語表現を解説

日本語

「知りません」を丁寧に表現したい場合、「存じません」と「存じ上げません」のどちらを使えばよいのか迷うことがあります。特にビジネスシーンでは、相手への敬意を示すために正しい敬語を選ぶことが大切です。この記事では、「存じません」と「存じ上げません」の意味の違いや、人に関する情報を伝える場合の適切な使い方について分かりやすく解説します。

「存じません」と「存じ上げません」はどちらも「知らない」の敬語

「存じません」と「存じ上げません」は、どちらも「知らない」という意味を丁寧に表した謙譲表現です。ただし、使われる対象によって適した表現が変わります。

「存じる」は「知る」「思う」の謙譲語です。自分の知識や認識についてへりくだって表現する言葉で、相手に対して丁寧な印象を与えます。

例えば、「その件については存じません」と言えば、「その件について私は知りません」という意味になり、ビジネスでも使える丁寧な表現になります。

「存じ上げません」は人に対して使う表現

「存じ上げません」は、基本的に人物を対象にして使う表現です。「上げる」には相手を高める意味が含まれており、人に対する敬意をより強く表しています。

例えば、「田中様のことは存じ上げません」という場合は、「田中様という人物を知りません」という意味になります。

そのため、初対面の人や取引先の担当者などについて、「以前から存じ上げております」「その方については存じ上げません」といった形で使われます。

「〇〇さんがそのような方だとは知りませんでした」はどう表現する?

「〇〇さんがそのような方であるとは知りませんでした」という場合は、少し判断が分かれやすい表現です。

この場合、知らなかった対象は「〇〇さん本人」ではなく、「〇〇さんについての性格や情報、事実」です。そのため、基本的には「存じません」や「存じておりません」を使う方が自然です。

例えば、「〇〇さんがそのような考えをお持ちだとは存じませんでした」という表現が適切です。これは「〇〇さんという人物を知らなかった」のではなく、「〇〇さんの考えについて知らなかった」という意味だからです。

「存じ上げませんでした」が使える場合との違い

一方で、「〇〇さんのことを存じ上げませんでした」という場合は、〇〇さんという人物自体を知らなかったという意味になります。

例えば、取引先から「この方をご存じですか」と聞かれて、その人物について面識も知識もない場合は、「申し訳ございませんが、その方については存じ上げません」と答えることができます。

反対に、「〇〇さんが以前その会社で働いていたことを知りませんでした」というような情報について述べる場合は、「そのような事実は存じませんでした」のように「存じる」を使います。

「存じません」と「存じ上げません」の使い分け例

表現 対象 例文
存じません 事実・情報・内容 その件については存じません。
存じ上げません 人・人物 その方については存じ上げません。
存じておりません 情報や状況 そのような事情は存じておりません。

迷った場合は、「知らない対象が人なのか、それとも情報や事実なのか」を考えると判断しやすくなります。

ただし、現代の敬語では「存じ上げません」を広い意味で使う人も増えています。そのため、人に関係する内容であっても、相手への敬意を強調したい場合には使われることがあります。

ビジネスで自然な言い換え表現

仕事の場では、「知りません」と直接言うよりも、「確認いたします」「勉強不足で申し訳ございません」「承知しておりません」などに言い換えることで、より柔らかい印象になります。

例えば、質問された内容について知らない場合、「その件については存じません」よりも「申し訳ございません。その件については確認できておりません」の方が、状況によっては自然な場合があります。

敬語は単に正しい形を選ぶだけでなく、相手との関係や場面に合わせて表現を調整することも重要です。

まとめ

「存じません」と「存じ上げません」は、どちらも「知らない」を丁寧に表す敬語ですが、基本的な使い分けがあります。

「存じ上げません」は主に人を対象に使い、「存じません」は情報や事実、内容を対象に使います。

「〇〇さんがそのような方であるとは知りませんでした」という場合は、知らなかったのが人物そのものではなく、その人に関する情報なので、「そのような方だとは存じませんでした」や「そのようなことは存じておりませんでした」と表現するのが自然です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました