三角比を学んでいると「補角の三角比」や「余角の三角比」という言葉が登場します。しかし、補角や余角が何を意味しているのか、なぜ三角比の値に関係するのかが分かりにくいと感じる人も多いです。
この記事では、補角と余角の意味から、それぞれの三角比がどのような関係になるのかを、具体例を使って分かりやすく解説します。
まず補角と余角の意味を理解しよう
補角と余角は、2つの角度の関係を表す言葉です。
補角とは、2つの角を足した合計が180°になる組み合わせのことです。
例えば、30°と150°は、
30°+150°=180°
となるため、お互いに補角の関係になります。
一方、余角とは、2つの角を足した合計が90°になる組み合わせのことです。
例えば、30°と60°は、
30°+60°=90°
なので余角の関係です。
補角の三角比とは何か
補角の三角比とは、ある角度θと、その補角である180°−θの三角比の関係を表したものです。
三角比では、補角になるとsin・cos・tanの値に特徴的な変化があります。
| 角度 | 関係 |
|---|---|
| sin(180°−θ) | sinθ |
| cos(180°−θ) | −cosθ |
| tan(180°−θ) | −tanθ |
つまり、補角ではsinは変わらず、cosとtanは符号が反対になります。
例えば、θ=30°の場合、
sin150°=sin30°=1/2
cos150°=−cos30°=−√3/2
tan150°=−tan30°=−1/√3
となります。
なぜ補角では符号が変わるのか
補角の三角比の関係は、単なる暗記ではなく、三角関数を座標で考えると理解できます。
角度θを第1象限に置くと、180°−θは第2象限にあります。第2象限では、x座標がマイナス、y座標がプラスになります。
cosはx座標に対応するためマイナスになり、sinはy座標に対応するためプラスのままになります。そのため、
sin(180°−θ)=sinθ
cos(180°−θ)=−cosθ
という関係になります。
余角の三角比とは何か
余角の三角比とは、角度θと90°−θの関係を表したものです。
余角では、sinとcosが入れ替わるという特徴があります。
| 角度 | 関係 |
|---|---|
| sin(90°−θ) | cosθ |
| cos(90°−θ) | sinθ |
| tan(90°−θ) | 1/tanθ |
例えば、θ=30°なら、
sin60°=cos30°=√3/2
cos60°=sin30°=1/2
となります。
補角と余角の三角比を覚えるポイント
補角と余角の三角比は、公式として暗記することもできますが、図形的な意味を理解すると忘れにくくなります。
補角の場合は「180°−θなので反対側の位置に移動するため符号が変化する」、余角の場合は「90°−θなので縦と横が入れ替わる」と考えると理解しやすくなります。
特に受験数学では、三角比の値を求める問題や、三角関数の式変形で補角・余角の関係が頻繁に使われます。
まとめ
補角とは和が180°になる角の組み合わせ、余角とは和が90°になる角の組み合わせです。
補角の三角比では、sinは同じ値になり、cosとtanは符号が反対になります。一方、余角ではsinとcosが入れ替わる関係になります。
公式を覚えるだけではなく、「補角は位置が反対になる」「余角は縦横が入れ替わる」という図形的な意味を理解すると、三角比の問題をより確実に解けるようになります。

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