バネの弾性力が内力になる理由とは?2物体系で考える内力と外力の違いを解説

物理学

物理では、複数の物体をまとめて「物体系」として考えることがあります。そのとき、バネが2つの物体の間にある場合、バネによる弾性力はなぜ内力になるのか疑問に感じる人も多いです。

弾性力は物体を動かす力なので外から加わる力のように見えますが、どの範囲を物体系として設定するかによって内力か外力かが変わります。この記事では、バネと2物体の関係を例に、内力と外力の考え方をわかりやすく解説します。

内力と外力の違いを理解する

内力とは、ある物体系の内部に存在する物体同士が互いに及ぼし合う力のことです。一方、外力とは、その物体系の外部にあるものから受ける力を指します。

つまり、同じ力であっても「どの範囲を1つの系として考えるか」によって内力にも外力にもなります。力そのものに内力・外力という固定された性質があるわけではありません。

例えば、2つの物体AとBだけを物体系とする場合と、A・B・バネをすべて含める場合では、バネの力の扱いが変わります。

バネが2物体の間にある場合の弾性力

例えば、物体Aと物体Bの間にバネがあり、バネが縮んでいる状況を考えます。バネはAを右向きに押し、Bを左向きに押すような弾性力を発生させます。

このとき、Aはバネから力を受け、Bもバネから力を受けています。一見すると「バネから外部的に力を受けている」と感じるかもしれません。

しかし、AとBだけを物体系として考える場合、バネは系の外側にあるため、厳密にはバネを含めるかどうかで判断が変わります。ここが内力を考える上で重要なポイントです。

バネも含めた物体系なら弾性力は内力になる

2物体とバネをすべてまとめて1つの物体系として考える場合、バネによる弾性力は内力になります。

理由は、弾性力が「バネと物体の間で発生している相互作用」だからです。物体系の内部に存在する要素同士が及ぼし合う力なので、外から加えられた力ではありません。

例えば、物体Aがバネから押される力が10Nだった場合、同時に物体Aはバネを10Nで逆向きに押しています。この2つの力は作用反作用の関係であり、系の内部で打ち消し合います。

なぜ内力として扱うと考えやすいのか

物体系全体の運動を考える場合、内力は計算上考えなくてもよいことが多いです。これは、内力は作用反作用のペアで存在し、系全体では合計すると0になるためです。

例えば、バネでつながれた2つの物体が水平面上を動く場合、バネの弾性力によってAは右へ、Bは左へ押されます。しかし、2物体全体を見ると、バネによる力は内部でやり取りされているだけです。

そのため、2物体全体の運動方程式を立てるときには、バネの弾性力を内力として扱い、外部から加わる力だけを考えます。

物体系の取り方によって弾性力の扱いは変わる

注意すべきなのは、弾性力が常に内力になるわけではないという点です。どの物体を系に含めるかによって判断が変わります。

例えば、物体Aだけを物体系とした場合、バネは外部にあるため、バネから受ける弾性力は外力になります。

一方で、物体A・物体B・バネをまとめて考えれば、バネによる力は系内部の相互作用となり内力になります。このように、内力と外力の区別は「力の種類」ではなく「系の設定」で決まります。

作用反作用との関係

バネによる弾性力が内力として扱われる理由には、作用反作用の法則が大きく関係しています。

バネが物体Aを押すと、物体Aも同じ大きさでバネを押し返します。また、バネは物体Bにも力を与え、物体Bもバネへ反対向きの力を返します。

これらの力はすべて系の内部で発生しているため、物体系全体で見ると互いに相殺されます。これが弾性力を内力として扱う理由です。

まとめ

バネが2物体の間にある場合、弾性力が内力になるのは、バネと物体の相互作用が物体系の内部で起こっているからです。

ただし、内力か外力かは弾性力そのものによって決まるのではなく、どこまでを1つの系として考えるかによって決まります。

2物体とバネをまとめて考えるなら弾性力は内力、物体だけを考えるならバネから受ける弾性力は外力になります。この考え方を理解すると、運動量保存や力学の問題を解く際にも役立ちます。

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