中学受験算数でよく出題される水の体積問題では、「物体を沈めた後の水面の高さ」を求めるために、底面積をそのまま使う場合と、物体の底面積を引く場合があります。この違いは、物体が水の中でどのように存在しているかを考えることで判断できます。
この記事では、立方体や直方体を水そうに入れる問題で、なぜ計算方法が変わるのか、どのようなときに底面積を引けばよいのかを分かりやすく解説します。
まずは水の体積がどう変化するかを考える
水そうに物体を沈めると、水面が上がります。この水面上昇の原因は、物体が入った分だけ水が押しのけられるためです。
大切なのは、「水の体積そのものが増えるわけではない」という点です。物体が水中に入った分だけ、水面より上に水が押し上げられます。
例えば、底面積100平方センチメートルの水そうに、体積8立方センチメートルの立方体を完全に沈めた場合、水面上昇後の高さは、増えた体積8立方センチメートルを底面積100平方センチメートルで割って求めます。
立方体を沈める場合に底面積を引かない理由
一辺10cmの立方体の水そうに、水が5cm入っているとします。この時点で水の体積は、10×10×5=500立方センチメートルです。
ここに一辺2cmの立方体を沈める場合、その立方体の体積は2×2×2=8立方センチメートルです。
立方体は水の中に完全に沈むため、押しのける水の量は8立方センチメートルです。このとき水面の高さを求めるには、元の水そうの底面積である100平方センチメートルを使います。
計算は、(500+8)÷100=5.08となり、水面の高さは5.08cmです。
この場合、物体は水そうの底をふさいでいないため、水が広がる場所は元の底面全体のままです。そのため底面積を引きません。
底面積を引く必要があるのはどんな場合か
一方で、底面まで届く細長い直方体を入れる場合は考え方が変わります。
例えば底面2cm×2cm、高さ20cmの直方体を水そうの底まで入れた場合、この直方体は水そうの中で柱のように場所を占めます。
そのため、水が広がることができる底面積は、水そう全体の100平方センチメートルから直方体の底面積4平方センチメートルを引いた96平方センチメートルになります。
この場合は、水の体積500立方センチメートルを使って、(100-4)×高さ=500として高さを求めます。
見分け方のポイントは「物体が底まで届いているか」
底面積を引くかどうかを判断するときは、物体の体積ではなく、物体の置かれ方を見ることが重要です。
| 状態 | 計算方法 |
|---|---|
| 物体が水中に浮いている・完全に沈んでいるが底につかない | 水そうの底面積をそのまま使う |
| 物体が底に接して柱のようになっている | 水そうの底面積から物体の底面積を引く |
つまり、「水が流れ込める底の面積が変化するかどうか」が判断基準になります。
一辺2cmの立方体の場合は、底についていても周囲から水が回り込むため、水の広がる面積は変わりません。そのため底面積は引きません。
しかし、高さ20cmの直方体のように底から上まで伸びる物体の場合、水が存在できる範囲が狭くなるため、底面積を引きます。
具体例で判断練習をしてみる
例えば、水そうの中に高さ10cmの棒状の直方体を立てた場合を考えます。この棒が底から水面より上まで出ているなら、水は棒の周囲だけにたまります。
そのため、水面の高さを求める式では「水そうの底面積-棒の底面積」を使います。
一方で、小さな金属球や立方体を沈める場合は、水は物体の横にも下にも回り込めるため、水そう全体の底面積を使います。
まとめ
水の問題で底面積を引くかどうかは、「物体の体積」ではなく「水が広がれる底面積が変化するか」で判断します。
物体が底につかず水中にある場合は、押しのけた体積を水そうの底面積で割ります。物体が底から伸びて水の通り道をふさいでいる場合は、水そうの底面積から物体の底面積を引きます。
中学受験算数では、この違いを図で確認し、「水がどこに存在できるか」をイメージすると迷わず解けるようになります。


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