分電盤の主幹ブレーカー容量と幹線サイズの選び方|子ブレーカー16回路15A使用時の計算方法を解説

工学

住宅や施設の電気設備では、分電盤の主幹ブレーカーの容量や幹線ケーブルの太さを適切に選定することが重要です。特に子ブレーカーが多数ある場合、各回路の容量を単純に合計すればよいのか、どの程度の主幹容量が必要なのか迷うことがあります。

この記事では、子ブレーカー15Aが16回路ある場合を例に、主幹ブレーカーの考え方や幹線サイズを決める際の基本的な計算方法について解説します。なお、実際の施工では電気方式、負荷の種類、電線管の条件、周囲温度などによって判断が変わるため、最終的な選定は電気設備技術基準や内線規程に基づいて行う必要があります。

子ブレーカー15Aが16回路ある場合の総容量を計算する

まず、子ブレーカーの容量だけを見ると、15Aの回路が16個あるため単純計算では以下のようになります。

15A × 16回路 = 240A

つまり、すべての子回路で同時に15Aを使用すると仮定した場合、合計電流は240Aになります。

しかし、住宅や一般的な建物の分電盤では、すべての回路が常時最大負荷になることは通常ありません。そのため、主幹ブレーカーは子ブレーカー容量の合計値240Aをそのまま取り付けるわけではありません。

主幹ブレーカー容量は需要率を考慮して決める

電気設備の設計では、実際の使用状況を考慮した需要率という考え方を使用します。これは、接続されている負荷がすべて同時に最大使用されるわけではないためです。

例えば、住宅の場合では照明、コンセント、エアコン、調理機器などが設置されていても、すべてが同時に最大電力を消費する可能性は低くなります。

そのため、子ブレーカー16回路が15Aだからといって、主幹ブレーカーを240Aにする必要はありません。実際には建物の用途や契約容量、使用する機器を確認して主幹容量を決定します。

例えば単相3線式100/200Vの住宅であれば、40A、50A、60Aなどの主幹ブレーカーが使われるケースが多く、負荷内容によって選定されます。

主幹ブレーカーを選ぶときに確認するポイント

主幹ブレーカーを決める際には、子回路数だけではなく、実際に接続される電気機器を確認する必要があります。

確認する主な項目は以下のようなものがあります。

  • 建物の電源方式(単相2線式、単相3線式、三相など)
  • 契約電流または契約容量
  • 大型電気機器の有無
  • 同時使用する可能性が高い負荷
  • 将来的な増設予定

例えば、IHクッキングヒーター、電気温水器、エアコン複数台などがある住宅では、一般的なコンセント回路だけの場合よりも大きな主幹容量が必要になる場合があります。

幹線ケーブルの太さは流れる電流から決定する

主幹ブレーカーが決まったら、次に幹線の太さを選定します。幹線とは、電力量計や引込点から分電盤まで電気を供給する主要な電線です。

幹線の太さは、許容電流が主幹ブレーカーの定格電流以上になるように選びます。ただし、電線の種類、施工方法、周囲温度によって許容電流は変化します。

例えば20mの気中配線であっても、使用するケーブルの種類や支持方法によって適切なサイズは異なります。

20m気中配線の場合の幹線サイズの考え方

一般的な低圧配線で使用されるCVケーブルなどでは、流れる電流に応じて太さを選定します。

参考例として、単相3線式で主幹ブレーカーが60Aの場合、幹線には14sq程度が使用されることがあります。しかし、これは条件によって変わるため、実際には電線の許容電流表を確認して選定します。

一方で、主幹ブレーカーが100A以上になる場合は、22sqや38sqなど、さらに太いケーブルが必要になることがあります。

また、幹線が長くなる場合には電圧降下も考慮する必要があります。20m程度であれば大きな問題にならない場合もありますが、大電流を流す設備では確認が必要です。

単純に子ブレーカー容量を合計してはいけない理由

分電盤設計でよくある誤解は、子ブレーカーの合計容量をそのまま主幹ブレーカー容量にすることです。

例えば15Aの子ブレーカーが16個ある場合、合計240Aになります。しかし、住宅で240Aもの電流を常時使用する設計になることは一般的ではありません。

子ブレーカーは、それぞれの回路を保護する目的で設置されています。主幹ブレーカーは建物全体の最大使用電流や契約容量を基準に決めるものです。

安全な電気設備設計のために確認すべきこと

主幹ブレーカーや幹線の選定は、単純な計算だけではなく、電気設備全体のバランスを見る必要があります。

特に住宅以外の設備や大きな電力を使用する機器がある場合、電力負荷計算を行い、適切な保護装置と電線サイズを選ぶことが重要です。

また、電気工事は資格が必要な作業であり、誤った容量選定は発熱や火災などの重大な事故につながる可能性があります。

まとめ|主幹ブレーカーと幹線サイズは使用条件から決める

子ブレーカー15Aが16回路ある場合、容量を単純計算すると240Aになります。しかし、実際の主幹ブレーカーは需要率や使用する機器を考慮して決定します。

幹線についても、主幹ブレーカーの容量だけではなく、電線の種類、施工方法、許容電流、電圧降下などを確認して選定する必要があります。

電気設備では「大きければ良い」というものではなく、負荷に対して適切な容量を選ぶことが安全で効率的な設備につながります。

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