数学の因数分解では、文字が3種類含まれる式でも、形の特徴を見抜くことで簡単に整理できます。特にx(y²-z²)+y(z²-x²)+z(x²-y²)のような式は、どの文字でくくるかによって途中式の見え方が変わるため、符号の扱いで迷いやすい問題です。この記事では、この式をどのように因数分解するのか、また(x-y)(y-z)(z-x)という形になる理由を順番に解説します。
まず式の形を確認する
与えられた式は、
x(y²-z²)+y(z²-x²)+z(x²-y²)
という形をしています。
この式では、それぞれの項に2乗の差が含まれています。そのため、まずは平方差の公式を利用することが基本になります。
平方差の公式は、a²-b²=(a+b)(a-b)です。この形を利用すると、それぞれの部分を分解できます。
平方差を利用して展開する
それぞれの項を分解すると、
x(y²-z²)=x(y+z)(y-z)
y(z²-x²)=y(z+x)(z-x)
z(x²-y²)=z(x+y)(x-y)
となります。しかし、このままでは共通因数が見つけにくいため、別の考え方を使います。
この式は、xについて整理すると因数分解しやすくなります。
xについての二次式として考える
元の式をxの項でまとめると、
x(y²-z²)+y(z²-x²)+z(x²-y²)
=x(y²-z²)-x²y+x²z+yz²-zy²
となります。
x²の項をまとめると、
x²(z-y)+x(y²-z²)+yz(z-y)
になります。
ここでy²-z²は平方差なので、
y²-z²=(y+z)(y-z)
と変形できます。
(z-y)でくくる場合の符号に注意する
質問のようにxについて(z-y)をくくる考え方も正しいです。
x²(z-y)+x(y²-z²)+yz(z-y)
の真ん中の項を変形すると、
y²-z²=(y+z)(y-z)=-(y+z)(z-y)
となります。
そのため、
x(y²-z²)=-x(y+z)(z-y)
となり、全体から(z-y)をくくると、
(z-y){x²-x(y+z)+yz}
になります。
中身をさらに因数分解する
括弧の中の式、
x²-x(y+z)+yz
は、xを使った二次式として見ることができます。
これは、
(x-y)(x-z)
と因数分解できます。
実際に展開すると、
(x-y)(x-z)=x²-xz-xy+yz=x²-x(y+z)+yz
となり一致します。
したがって、
(z-y)(x-y)(x-z)
になります。
最後に符号を整理する
ここで注意したいのが、(z-y)と(y-z)の関係です。
z-y=-(y-z)
なので、
(z-y)(x-y)(x-z)
は、マイナスを1つ外に出して、
-(y-z)(x-y)(x-z)
となります。
さらに、x-z=-(z-x)なので、もう一度マイナスが発生します。
そのため、
-(y-z)(x-y)(x-z)=(x-y)(y-z)(z-x)
となります。
つまり、質問の考え方である「(z-y)でくくった後、符号を調整して(x-y)(y-z)(z-x)にする」という流れは正しいです。
まとめ
x(y²-z²)+y(z²-x²)+z(x²-y²)は、文字をどこから整理するかによって途中の形が変わりますが、最終的な因数分解結果は、
(x-y)(y-z)(z-x)
になります。
(z-y)でくくる方法も間違いではありません。ただし、z-y=-(y-z)、x-z=-(z-x)のような符号の変化を正確に処理することが重要です。3文字の因数分解では、くくった後のマイナスの数を意識すると、符号ミスを防ぐことができます。


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