武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科や東京藝術大学のデザイン科を目指す受験生にとって、平面構成では道具の扱い方も作品の完成度を左右する重要な要素です。
烏口、溝引き、マスキングテープ、スポンジなど、さまざまな道具がありますが、大切なのは道具を使うこと自体ではなく、どの表現にどの道具が適しているかを理解することです。この記事では、平面構成でよく使われる道具の特徴や、マスキングテープでにじみを防ぐ方法について解説します。
平面構成で使用される代表的な道具
平面構成では、きれいな線やムラのない面、計画された色面を作るためにさまざまな道具を使います。受験生によって使う道具には個人差がありますが、基本的な道具を使いこなせることは大きな強みになります。
特に武蔵美視デや藝大デザインのようなデザイン系の実技試験では、アイデアだけでなく、表現を正確に形にする技術も評価対象になります。
烏口(からすぐち)
烏口は、一定の太さの線を引くために使われる道具です。昔からデザインや製図で使用されてきた道具で、細い輪郭線や正確な直線表現に向いています。
ただし、現在の平面構成では必ず烏口を使わなければならないわけではありません。ロットリングや細い筆など、自分が安定して線を引ける道具を選ぶ受験生もいます。
溝引き棒と定規
溝引きは、筆でまっすぐな線を引くための技法です。定規に沿って筆を動かすことで、均一なラインを作ることができます。
特に平面構成では、手描きの柔らかさを残しながら正確な線を表現できるため、文字や境界線、図形的な表現などで活用できます。
マスキングテープ
マスキングテープは、色面をきれいに分けるために非常によく使われる道具です。境界線をシャープに仕上げたい場合や、直線的な構成を作る場合に便利です。
しかし、貼り方や塗り方によっては絵具がテープの下に入り込み、にじみが発生することがあります。そのため、正しい使い方を身につける必要があります。
スポンジ
スポンジは、均一な色面やグラデーション、独特の質感を作る際に使われます。筆では出しにくい柔らかな表現を作れることが特徴です。
例えば、背景の色面に少しムラや奥行きを出したい場合、スポンジを使うことで筆跡とは異なる表現が可能になります。
マスキングテープでにじませないための基本的なコツ
マスキングテープを使った際に起こる代表的な失敗が、テープの隙間から絵具が入り込む「にじみ」です。空気を抜いてしっかり貼っているのににじむ場合は、別の原因があることが多いです。
まず重要なのは、テープを貼る面の状態です。紙の表面に鉛筆の粉や消しゴムのカスが残っていると、テープの密着度が下がり、絵具が入り込みやすくなります。
テープを貼る前の準備
マスキングテープを貼る前には、紙の表面をきれいにしておくことが大切です。特に水彩紙やケント紙では、表面の細かな凹凸によって完全に密着しない場合があります。
また、テープを貼った後は爪や定規の側面などで軽く押さえ、端の部分を密着させます。ただし、強く擦りすぎると紙を傷める可能性があるため注意が必要です。
マスキングテープの選び方も仕上がりを左右する
同じマスキングテープでも、種類によって粘着力や紙への密着性が異なります。一般的な梱包用テープなどではなく、画材用のマスキングテープを使用することがおすすめです。
粘着力が強すぎるものは紙を傷める場合があり、弱すぎるものは絵具が入り込みやすくなります。自分が使用する紙や絵具との相性を試すことが重要です。
例えば、薄い紙では弱めのテープを使い、厚めの水彩紙ではある程度密着力のあるテープを使うなど、状況によって使い分けると安定します。
平面構成では道具よりも使いこなしが重要
平面構成で評価されるのは、高価な道具を持っているかどうかではありません。道具を使って、どのような意図で表現したかが重要です。
同じマスキングテープを使っても、単純な四角形を作るだけなのか、画面構成の中で意味のある形として利用するのかによって作品の印象は大きく変わります。
受験対策では、さまざまな道具を試しながら、自分が最も安定して表現できる方法を見つけることが大切です。
平面構成の練習で意識したいこと
道具の練習をするときは、単にきれいに塗る練習だけではなく、「なぜその道具を使うのか」を考えることが重要です。
例えば、直線的で緊張感のある表現ならマスキングテープ、柔らかな質感ならスポンジ、繊細な線なら筆や烏口というように、表現したい目的から道具を選ぶ習慣をつけると作品の幅が広がります。
また、制限時間内で完成させる必要がある入試では、普段から道具の扱いに慣れておくことが大きな武器になります。
まとめ|平面構成は道具を理解して表現力につなげることが大切
武蔵美視デや藝大デザインの平面構成では、烏口、溝引き、マスキングテープ、スポンジなどさまざまな道具が活用できます。
ただし、合格につながるのは道具を多く知っていることではなく、それぞれの特徴を理解し、自分の表現に適切に使えることです。
特にマスキングテープのにじみは、多くの受験生が経験する問題ですが、紙の状態確認、テープの密着、絵具量の調整などを意識することで改善できます。道具を味方につけ、表現の幅を広げることが平面構成上達への近道です。


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