pHの計算では、水素イオン(H⁺)の濃度が重要になります。しかし、参考書に書かれている「pHはH⁺のmol/Lで決まる」という説明だけでは、H⁺濃度が非常に小さい場合にどのように考えればよいのか迷うことがあります。この記事では、H⁺濃度とpHの関係、10のマイナス15乗のような値の場合の計算方法について、基礎から分かりやすく解説します。
pHとは水素イオン濃度を表す数値
pHは、水溶液がどれくらい酸性なのか、またはアルカリ性なのかを表す指標です。基本的には、水素イオン濃度[H⁺]を使って次の式で求めます。
pH=-log[H⁺]
ここで注意したいのは、pHは単純にH⁺の濃度の数字を読むものではなく、対数(log)を使って表す値だということです。そのため、H⁺濃度が10倍変化すると、pHは1だけ変化します。
H⁺濃度が10のマイナス15乗の場合の計算
例えば、水素イオン濃度が[H⁺]=10⁻¹⁵mol/Lだった場合を考えます。
pH=-log(10⁻¹⁵)
logの性質から、log10⁻¹⁵は-15になるため、
pH=-(-15)=15
となり、計算上はpH15になります。
つまり、H⁺濃度が10⁻¹⁵mol/Lであれば、数学的な計算ではpH15という値になります。
ただし水溶液ではpH15は単純には考えられない
ここで注意が必要なのは、実際の水溶液ではH⁺濃度をどこまでも小さくできるわけではないという点です。
水は完全に何もイオンを含まない物質ではなく、少量ですが水自身が電離してH⁺とOH⁻を生じています。25℃の純水では、H⁺濃度は約10⁻⁷mol/Lです。
そのため、H⁺濃度が10⁻¹⁵mol/Lという値になる場合は、単純に「酸が薄まった」と考えるだけでは不十分で、水の電離の影響を考える必要があります。
pH14を超える溶液は存在するのか
学校化学では、pHは一般的に0から14までの範囲で説明されることが多いですが、これは水溶液中でよく扱う範囲を示したものです。
非常に強いアルカリ性の溶液では、pH14を超える値になることもあります。例えば、水酸化ナトリウム水溶液などで非常に高濃度の場合、理論上はpH14以上になることがあります。
ただし、高濃度の溶液では単純な濃度計算だけではなく、活量という考え方が必要になる場合があります。高校化学では、基本的な計算問題ではpH=-log[H⁺]の式を使って考えれば問題ありません。
pH計算でよくある間違い
pHの問題では、「H⁺濃度が10の何乗になっているか」を正しく読み取ることが重要です。
例えば、[H⁺]=10⁻³mol/Lなら、pHは3になります。一方、[H⁺]=10⁻¹⁰mol/Lなら、pHは10になります。
指数部分の数字が、そのままpHになる場合が多いため、まずは10の何乗なのかを確認する習慣をつけると計算ミスを減らせます。
酸性とアルカリ性の判断方法
pHは数字が小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強くなります。
例えば、pH2の水溶液はH⁺濃度が高く酸性です。一方、pH12の水溶液はH⁺濃度が低く、OH⁻が多いためアルカリ性になります。
H⁺濃度だけを見ると「少ない=悪い」と感じることがありますが、pHではH⁺が少ないほどアルカリ性になるという関係を覚えておくことが大切です。
まとめ
H⁺濃度が10⁻¹⁵mol/Lの場合、pH=-log[H⁺]の式を使えば、計算上はpH15になります。
ただし、実際の水溶液では水の自己電離などの影響があるため、単純な数字だけで判断できない場合があります。
高校化学の範囲では、まずpH=-log[H⁺]の意味を理解し、10の指数とpHの関係を正しく覚えることが、計算問題を解く上で重要です。


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