大学数学の極値問題では、制約条件のもとで関数の最大値や最小値を求める問題がよく登場します。特にラグランジュの未定乗数法を使うと方程式が複雑になり、計算が大変になることがあります。
この記事では、条件x²+y²=2のもとでf(x,y)=x²+2y²+2x+4yの最大値と最小値を求める方法を、計算を簡単にする工夫に注目しながら解説します。
まず関数を整理して考える
与えられた関数は、f(x,y)=x²+2y²+2x+4yです。このままでは最大値や最小値が分かりにくいため、平方完成を行います。
x²+2x=(x+1)²-1、2y²+4y=2((y+1)²-1)なので、
f(x,y)=(x+1)²+2(y+1)²-3
となります。
一方、条件はx²+y²=2であり、これは原点を中心とする半径√2の円を表しています。
座標をずらして考える
平方完成した形を見ると、点(-1,-1)を中心とした距離のような形になっています。
ここでX=x+1、Y=y+1と置くと、f=X²+2Y²-3となります。しかし条件式は単純にはX²+Y²=2とはならないため、この方法だけでは最大最小を直接求めるのは難しくなります。
そこで、別の見方を使います。
条件式を利用して関数を変形する
条件x²+y²=2を利用すると、f(x,y)は次のように変形できます。
f(x,y)=x²+y²+y²+2x+4y
=2+y²+2x+4y
=2+y²+2x+4y
となります。
さらにy²+4y=(y+2)²-4なので、
f(x,y)=(y+2)²+2x-2
となります。
この形を見ると、yの範囲とxの範囲を考えることで最大値と最小値を求められます。
円の条件からxとyの範囲を考える
条件x²+y²=2より、xとyはそれぞれ−√2以上√2以下の範囲になります。
また、xとyは独立ではなく、円周上の点として同時に存在します。そのため、単純にx=√2、y=√2を同時に代入することはできません。
このような場合は、三角関数を利用すると整理できます。
三角関数による解法
x²+y²=2なので、x=√2cosθ、y=√2sinθと置くことができます。
これをf(x,y)に代入すると、
f=2cos²θ+4sin²θ+2√2cosθ+4√2sinθ
となります。
ここでcos²θ+sin²θ=1を利用すると、
f=2+2sin²θ+2√2cosθ+4√2sinθ
となり、1変数θの問題に変えることができます。
ただし、この方法でも微分すると少し複雑になるため、別の方法が有効です。
ラグランジュ未定乗数法による解法
制約条件付きの極値問題では、ラグランジュ未定乗数法が標準的な方法です。
g(x,y)=x²+y²-2とすると、∇f=λ∇gより、
(2x+2,4y+4)=λ(2x,2y)
となります。
整理すると、
x+1=λx、2y+2=λy
です。
この2式から、
x=1/(λ-1)、y=2/(λ-2)
となります。
これを条件式x²+y²=2へ代入すると、
1/(λ-1)²+4/(λ-2)²=2
になります。
この式を解くとλの候補が求まり、それぞれに対応するx,yを調べることで最大値と最小値を決定できます。
計算を簡単にするポイント
この問題では、最初からラグランジュ未定乗数法を使うと4次方程式のような複雑な式になりやすいため、途中の整理が重要です。
制約条件が円の場合は、座標変換や平方完成、対称性を見ることで計算量を減らせることがあります。
大学数学の極値問題では、公式を機械的に使うよりも「どの方法なら計算が簡単になるか」を判断する力が重要になります。
まとめ|制約条件付き最大最小問題は工夫して解く
x²+y²=2という円の条件のもとでf(x,y)=x²+2y²+2x+4yの最大値・最小値を求める問題では、ラグランジュ未定乗数法だけが解法ではありません。
平方完成や条件式の利用、三角関数への置換などを組み合わせることで、問題の形を見やすくできます。
特に大学数学では、計算を始める前に「どの方法を使えば最も簡単になるか」を考えることが、極値問題を解く大きなポイントになります。


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