オペアンプの電源回路に取り付けるパスコン(バイパスコンデンサ)は、電源ノイズを抑えたり、瞬間的な電流変化に対応したりするために重要な部品です。しかし、47nF、100nF、1uF、10uFなどさまざまな容量が使われているため、どの値を選べばよいのか迷うことがあります。この記事では、0805インチサイズのコンデンサをオペアンプの電源近くに配置する場合の容量選びの考え方や、一般的な選定方法について解説します。
オペアンプのパスコンが必要な理由
オペアンプは安定した電源電圧で動作することを前提として設計されています。しかし、実際の回路では電源ラインに高周波ノイズが乗ったり、オペアンプの出力変化によって瞬間的に電流が変化したりします。
パスコンは、このような電源の変動を吸収する役割があります。電源ピンの近くにコンデンサを配置することで、必要な瞬間に電流を供給し、電源電圧の揺れを小さくできます。
特に高速動作するオペアンプや高精度なアナログ回路では、パスコンの選択や配置が回路性能に大きく影響します。
オペアンプのパスコンでよく使われる容量
オペアンプの電源ピンに取り付けるパスコンとしては、一般的に100nF(0.1uF)の積層セラミックコンデンサがよく使用されます。
100nFのコンデンサは、高周波ノイズを吸収する用途に適しており、多くのICのデータシートでも推奨されることが多い容量です。
一方で、10uFなどの比較的大きな容量は、低周波の電源変動や負荷変動への対応を目的として追加されることがあります。
| 容量 | 主な役割 |
|---|---|
| 47nF〜100nF | 高周波ノイズ除去、IC近傍の基本的なパスコン |
| 1uF程度 | 中間的な周波数の電源変動対策 |
| 10uF以上 | 低周波変動や電源安定化の補助 |
0805サイズなら100nFが基本的な選択肢になる
0805インチサイズの積層セラミックコンデンサをオペアンプの電源ピンごとに1個配置する場合、まず候補になるのは100nF(0.1uF)です。
100nFは小型で入手性が高く、周波数特性にも優れているため、一般的なオペアンプ回路では十分な効果を発揮します。
例えば、電源ピンがV+とV-の2つあるオペアンプでは、それぞれの電源ピンとGND間に100nFのコンデンサを配置する設計がよく行われます。
容量を大きくすれば必ず良いわけではない理由
パスコンは容量が大きければ大きいほど良いというわけではありません。コンデンサには容量だけでなく、ESR(等価直列抵抗)やESL(等価直列インダクタンス)といった特性があります。
大容量のコンデンサは低周波の変動には有効ですが、高周波領域では内部のインダクタンスによって十分な効果が得られない場合があります。
そのため、一般的には100nF程度の小容量コンデンサで高周波ノイズを抑え、必要に応じて1uF〜10uF程度のコンデンサを追加して広い周波数範囲をカバーします。
パスコン選びでは容量より配置も重要
オペアンプのパスコンは、容量値だけでなく配置場所が非常に重要です。電源ピンから遠い場所に配置すると、配線のインダクタンスによって高周波ノイズ除去効果が低下します。
理想的には、コンデンサをオペアンプの電源ピンのすぐ近くに配置し、配線を短くします。特に高速オペアンプでは、数mmの配線差でも影響が出る場合があります。
例えば、基板上でオペアンプから数cm離れた場所に100nFを置くよりも、電源ピンの直近に置いた小型コンデンサの方が高周波ノイズ対策として有効です。
オペアンプの種類によって最適な容量は変わる
すべてのオペアンプで同じ容量が最適というわけではありません。高速オペアンプ、低ノイズオペアンプ、高精度計測用オペアンプなどでは、メーカーが推奨するパスコン条件が異なる場合があります。
特に高速動作する製品では、パスコンの種類や容量によって発振などの問題が発生する可能性もあります。そのため、最終的には使用するオペアンプのデータシートやアプリケーションノートを確認することが重要です。
ただし、一般的な回路設計では、まず100nFのセラミックコンデンサを電源ピン近くに配置し、必要に応じて数uF程度のコンデンサを追加する方法が基本となります。
まとめ:0805のパスコンなら100nFを基本に必要なら追加する
オペアンプの電源用パスコンとして0805インチサイズのコンデンサを1個ずつ使用する場合、一般的には100nF(0.1uF)の積層セラミックコンデンサが最初の選択肢になります。
47nFでも効果はありますが、100nFは多くのICで標準的に使われる容量であり、入手性や性能のバランスに優れています。
さらに電源変動を抑えたい場合は、100nFに加えて1uF〜10uF程度のコンデンサを追加する方法も有効です。容量だけでなく、オペアンプの仕様やパスコンの配置にも注意することで、安定したアナログ回路を設計できます。


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