長期間使用している冷媒ポンプ設備で、Y字ストレーナーに焦げ茶色や黒色の異物が短期間で詰まる現象は珍しくない。特に30年前後稼働している設備では、冷媒系統内部の劣化や堆積物の剥離が複合的に起こるケースがある。本記事では、その代表的な原因とメカニズムを整理する。
Y字ストレーナーに溜まる黒いカスの正体
まず確認すべきは、詰まりの原因となっている異物の性質である。
黒や焦げ茶色のカスは、冷媒そのものではなく、内部の劣化生成物であることが多い。
例えばオイル劣化物、スラッジ、腐食した鉄粉、パッキン由来のゴム粉などが混在することがある。
冷媒ポンプ長期使用による劣化の影響
30年近い運転設備では、潤滑油や冷媒系統内部で酸化劣化が進行する。
例えばオイルが高温環境や酸素混入の影響で重合し、タール状のスラッジを形成することがある。
このスラッジが配管内壁に付着し、徐々に剥がれてストレーナーに流入するケースが多い。
コンデンサー内部堆積物の剥離の可能性
推測されている通り、コンデンサー内部の堆積物剥離も有力な原因の一つである。
例えば冷却効率低下や温度変動により、内部に付着した汚れが断続的に剥がれ落ちることがある。
その結果、比較的大きなフレーク状異物となりストレーナーに集中的に詰まる現象が起こる。
シール材・ガスケット劣化による異物発生
長期運転機器ではゴム・樹脂系部品の劣化も無視できない要因である。
例えばOリングやガスケットが熱・冷媒・油により硬化し、微細な破片として流出することがある。
これらが黒色または濃褐色の異物としてストレーナーに蓄積する場合がある。
詰まりが短期間で繰り返される理由
10日程度で再詰まりする場合、単発的な汚れではなく「内部蓄積物の継続的剥離」が進行している可能性が高い。
例えば運転条件の変化や圧力変動によって、これまで安定していた汚れが一気に流出し始めることがある。
この段階では単純清掃では根本解決にならないことが多い。
まとめ
Y字ストレーナーに黒いカスが頻繁に詰まる現象は、冷媒そのものよりも内部劣化物の剥離が主因であるケースが多い。
特にコンデンサー内部のスケール、オイル劣化スラッジ、シール材の崩壊などが複合的に関与する可能性がある。
長期使用設備では局所的な清掃ではなく、系統全体の劣化診断を行うことが重要となる。

コメント