建築学科の卒業設計では「何をテーマにするか」で悩むことは珍しくありません。特に中間領域や水族館、集落といった複数の関心がある場合、方向性が分散してしまい決めきれなくなることがあります。本記事では、そのような状態を整理するための考え方をまとめます。
テーマが決まらない理由を整理する
卒業設計で迷う最大の理由は「興味」と「テーマ」が一致していない状態が続くことです。
例えば中間領域に興味があっても、それを建築としてどう成立させるかの軸が曖昧だと、他の題材(水族館や集落)に引っ張られやすくなります。
まずは「好きなもの」ではなく「問いとして成立するもの」に分解することが重要です。
中間領域というテーマの可能性
中間領域は曖昧さを持つ空間であり、境界の設計という建築的に非常に強いテーマです。
住宅・学校・図書館などに共通する「滲み出す空間」を扱えるため、応用範囲は広いです。
一方で抽象度が高いため、具体的な敷地やプログラムを設定しないと説得力が弱くなる傾向があります。
水族館をテーマにする場合の強み
水族館は「展示」「動線」「環境演出」など建築要素が明確で、設計として構造化しやすい題材です。
さらに水と光の操作によって空間体験を設計できるため、表現の幅も広がります。
ただしテーマとしては既に多く扱われているため、独自性は空間コンセプトの再定義が必要になります。
集落・水郷集落から発想する方法
集落は中間領域と非常に相性が良く、「境界の曖昧さ」「生活のにじみ」といった共通点があります。
水郷集落は特に、水と陸の境界が揺らぐため、中間領域の空間論を具体化する題材として有効です。
この方向性はリサーチベースの設計に向いており、説得力のあるストーリーを作りやすい特徴があります。
テーマを一本化するための考え方
複数の興味を持っている場合は「共通する問い」を抽出することが重要です。
例えば「境界が曖昧な空間は人の行動をどう変えるのか」という問いを設定すれば、中間領域・水族館・集落はすべて素材として扱えます。
テーマは要素ではなく問いで統一することで設計の軸が安定します。
まとめ
卒業設計のテーマ選びでは、興味の対象をそのままテーマにするのではなく、そこに共通する問いを抽出することが重要です。
中間領域、水族館、集落はいずれも異なるようでいて「境界」というキーワードでつながります。
その軸を明確にすることで、複数の関心を統合した一貫性のある設計へと発展させることができます。


コメント