制御工学のボード線図は、伝達関数を極と零点に分解し、それぞれの周波数特性を重ね合わせることで描くのが基本です。本記事では G(s)=(s+1)/s(10s+1) を例に、ゲイン曲線と位相曲線の具体的な作図手順を整理して解説します。
ボード線図の基本的な考え方
ボード線図は、周波数応答を対数スケールで表したもので、ゲイン(dB)と位相(°)の2つのグラフから構成されます。
伝達関数をそのまま扱うのではなく、極と零点に分解して、それぞれの寄与を足し合わせることで全体を描きます。
この「加算的に扱える」という性質が重要なポイントです。
伝達関数の分解
G(s)=(s+1)/s(10s+1) を要素ごとに分解すると次のようになります。
零点:s+1(折れ点 ω=1)
極:s(原点極)、10s+1(折れ点 ω=0.1)
このように整理すると、それぞれの周波数で何が起きるかが明確になります。
ゲイン線図の描き方
ゲイン線図は各要素の傾きを足し合わせて作ります。
原点極 s は -20 dB/dec の傾き、零点 s+1 は +20 dB/dec の傾きを持ちます。
また 10s+1 の折れ点は ω=0.1 であり、ここから -20 dB/dec の変化が加わります。
したがって ω=0.1、1 の順に傾きが変化し、全体の直線をつなげていきます。
位相線図の考え方
位相は各要素の寄与を加算して求めます。
原点極 s は -90°、零点 s+1 は +90°の寄与を持ちます。
10s+1 は ω=0.1 付近で -90°へと変化していきます。
実際の描画では、それぞれの変化を対数軸上で滑らかに重ね合わせます。
作図手順の整理
まず伝達関数を極と零点に分解し、折れ点周波数を整理します。
次にゲインは傾きの加算、位相は角度の加算として処理します。
最後に各区間を直線近似し、滑らかにつなぐことでボード線図を完成させます。
まとめ
ボード線図は伝達関数を極と零点に分解し、それぞれの周波数特性を重ね合わせることで作成されます。
今回の例では、ω=0.1とω=1の2つの折れ点を中心にゲインと位相が変化します。
基本ルールである「傾きの加算」「位相の加算」を押さえることで、複雑な伝達関数でも安定して作図できるようになります。


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