統計や平均値の話をすると、しばしば「新卒と中堅で年収差が小さいのはおかしいのでは?」という疑問が出てきます。しかし、平均値(算術平均)には特有の性質があり、年齢や役職ごとの分布を理解することで納得できます。
平均年収の算術平均とは何か
算術平均は、全員の年収を合計して人数で割った値です。単純な計算なので、極端に高い年収の人や低い年収の人の影響を受けやすいです。
例えば、新卒1年目の年収430万円、係長や課長、部長クラスの年収が高額な場合、平均年収は上の役職に引き上げられます。
平均年収の見かけ上の差が小さい理由
年齢47歳の平均年収が460万円と、新卒1年目の430万円との差が30万円しかないのは、以下の理由が考えられます。
- 日本の会社員の大多数は中堅層であり、平均年収に占める人数が多いため、昇給幅の大きい上位役職者の影響が薄れる。
- 年功序列ではなく、職務給や成果給の影響で、特に中小企業では昇給が緩やかであること。
- 一部の高年収者が平均を引き上げるため、中央値とは差が出る。
平均と中央値の違い
算術平均は高額所得者に引き上げられる傾向があります。中央値は人数順に並べたときの中央の値で、極端値の影響を受けません。
たとえば、10人の年収が順に300, 320, 330, 350, 360, 400, 420, 500, 800, 1000万円なら、平均は478万円ですが、中央値は360万円です。
このように平均値だけで判断すると、昇給の実態を過小評価することがあります。
役職別年収の影響
部長クラス(平均928万円)、課長クラス(780万円)、係長クラス(579万円)など高年収の少数が平均を押し上げるため、年齢別の平均差が小さく見えるのです。
特に新卒から中堅にかけては、多くの社員が低中位の年収帯に集中するため、平均の伸びが緩やかになります。
まとめ
新卒1年目430万円と47歳460万円という平均値の差が小さいのは統計的には自然です。平均値は極端な値に敏感で、多くの中堅層社員の年収が集中していると、見かけ上の昇給幅は小さくなります。
正確に昇給の実態を把握したい場合は、平均だけでなく中央値や分布、職種・役職別の統計も確認することが重要です。


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