外積(ベクトルのクロス積)を計算する際によく用いられる行列のような表記について、これは厳密には通常の行列式と同じ扱いなのか疑問に思う方も多いでしょう。本記事では外積の計算方法と行列式との関係を解説します。
外積の定義
3次元ベクトル \(\mathbf{a}=(a_1,a_2,a_3),\mathbf{b}=(b_1,b_2,b_3)\) の外積 \(\mathbf{a} \times \mathbf{b}\) は、\(\mathbf{a}\) と \(\mathbf{b}\) に垂直なベクトルで、長さは二つのベクトルで張られる平行四辺形の面積に等しいです。
計算式は次のように書きます。
\(\mathbf{a} \times \mathbf{b} = (a_2b_3 – a_3b_2,\ a_3b_1 – a_1b_3,\ a_1b_2 – a_2b_1)\)
行列式を用いた表記
計算の便利さから、次のような 3×3 の形式で表されることがあります。
\[\mathbf{a} \times \mathbf{b} = \begin{vmatrix} \mathbf{i} & \mathbf{j} & \mathbf{k} \\ a_1 & a_2 & a_3 \\ b_1 & b_2 & b_3 \end{vmatrix}\]
ここで \(\mathbf{i},\mathbf{j},\mathbf{k}\) は単位ベクトルです。
この表記は行列式の計算規則を使って外積の成分を求めるために便利ですが、厳密には「単位ベクトルを含む特殊な形式の展開」であり、通常の数値だけの行列式とは区別されます。
行列式と外積の関係
数値だけの 3×3 行列式はスカラー値ですが、外積の式における行列式は成分ごとのベクトル演算に拡張されたものです。計算手順は同じで、順列符号に基づき展開されます。
つまり、行列式の考え方を使って外積の各成分を求めている、と理解すると整理しやすいです。
まとめ
外積の計算で使う行列式風の表記は、数値行列式の規則を応用してベクトル成分を求めるための便法です。厳密には通常の行列式ではありませんが、計算や理解の補助として広く使われています。


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