フーリエ級数や複素解析を学び始めると、複素指数関数の定積分を計算する機会が増えます。その中でも、∫₀²π e^{i(n+1)θ} dθ は基本的かつ重要な積分です。この記事では、計算手順と結果の意味についてわかりやすく解説します。
問題となる積分
考える積分は次の形です。
ia^(n+1)∫₀²π e^{i(n+1)θ} dθ
まずは積分部分である ∫₀²π e^{i(n+1)θ} dθ を求めます。
複素指数関数の積分公式
一般に、k≠0 のとき
∫ e^{ikθ} dθ = e^{ikθ}/(ik)
が成り立ちます。
ここで k=n+1 とおくと、n+1≠0 の場合
∫₀²π e^{i(n+1)θ} dθ = [e^{i(n+1)θ}/(i(n+1))]₀²π
上端と下端を代入する
θ=2π を代入すると
e^{i(n+1)2π}
となります。
n が整数であれば、オイラーの公式より
e^{i2π(n+1)}=1
です。
また θ=0 のときも e^0=1 ですから、
(1-1)/(i(n+1))=0
となります。
n=-1 の場合に注意
n=-1 のときは、指数部分が e^0=1 になります。
したがって積分は
∫₀²π 1 dθ = 2π
となります。
この場合は分母に n+1 が現れる積分公式を直接使えないため、別扱いが必要です。
元の式の値
以上より、整数 n に対して
| 条件 | 結果 |
|---|---|
| n≠-1 | ia^(n+1)∫₀²π e^{i(n+1)θ} dθ = 0 |
| n=-1 | ia^0・2π = 2πi |
a^0=1 を用いました。
なぜ0になるのか
複素平面上で e^{i(n+1)θ} は単位円を回転する関数です。n+1≠0 のとき、θが0から2πまで変化するとちょうど一周し、正負の寄与が打ち消し合います。
そのため積分値は0になります。これはフーリエ級数の直交性の基本原理でもあります。
まとめ
積分 ∫₀²π e^{i(n+1)θ} dθ は、整数 n に対して n≠-1 なら0、n=-1 なら2πになります。
したがって元の式 ia^(n+1)∫₀²π e^{i(n+1)θ} dθ は、n≠-1 のとき0、n=-1 のとき2πiとなります。この結果は複素フーリエ解析や留数計算の基礎として頻繁に利用されます。


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