力積の問題では、運動量の変化に注目すると短時間で解ける場合が多くあります。一方で、加速度や平均の力を使って求める方法も物理的には正しい考え方です。ここでは、ボールの進行方向が反転する問題を例に、力積の意味と解き方を整理します。
力積とは何か
力積とは、物体に力が作用した効果を表す量で、力と作用時間の積で定義されます。
力積=力×時間=FΔt
また、力積は運動量の変化量に等しいという重要な関係があります。
力積=Δp=m(v-u)
ここで、mは質量、uは初速度、vは終速度です。
問題の状況を整理する
質量0.10kgのボールが右向きに10m/sで運動しており、ラケットで打たれた後に左向きへ10m/sで運動したとします。
| 量 | 値 |
|---|---|
| 質量 | 0.10kg |
| 初速度 | +10m/s |
| 終速度 | -10m/s |
右向きを正とすると、終速度が負になる点が重要です。
加速度を利用する解法
まず加速度を求めると、
a=(-10-10)/Δt=-20/Δt
運動方程式F=maより、
F=0.10×(-20/Δt)=-2.0/Δt
両辺にΔtを掛けると、
FΔt=-2.0
したがって力積は-2.0N・sとなります。
マイナスは左向きを意味するため、左向きに2.0N・sと表現できます。
運動量の変化から求める解法
この問題は力積と運動量変化の関係を使うとさらに簡単です。
初めの運動量は、
0.10×10=1.0kg・m/s
後の運動量は、
0.10×(-10)=-1.0kg・m/s
よって運動量の変化は、
-1.0-1.0=-2.0kg・m/s
力積は運動量変化に等しいので、力積=-2.0N・sとなります。
試験ではこちらの方法が最も速く解けることが多いでしょう。
符号の意味に注意する
力積の計算で間違えやすいのは符号です。
右向きを正と決めたなら、左向きは負になります。そのため答えを「-2.0N・s」と表しても、「左向きに2.0N・s」と表しても意味は同じです。
ただし、向きを問う問題では符号だけで終わらせず、どちら向きなのかを明記するとより丁寧です。
まとめ
ボールが右向き10m/sから左向き10m/sへ変化した場合、力積は-2.0N・sとなります。したがって「左向きに2.0N・s」が答えです。
また、加速度と運動方程式を使った解法は物理的に正しく、計算過程にも問題はありません。ただし、この種の問題は運動量の変化を利用するとより簡潔に解くことができます。力積=運動量の変化という関係は、入試や定期試験でも頻出なのでぜひ覚えておきましょう。


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