意見書や陳述書、審査請求書などの法律・行政関係の文書では、相手方の主張に対して反論する際に独特の表現が用いられます。その中でも「弁明は失当である」という表現は頻繁に登場しますが、意味や使い方が分かりにくいと感じる人も少なくありません。この記事では、「弁明は失当である」の意味や適切な使用場面、類似表現との違いについて解説します。
「失当」とはどのような意味か
「失当(しっとう)」とは、法律文書や公的文書において「適切ではない」「妥当ではない」「根拠として成立しない」という意味で用いられる言葉です。
単に意見が異なるというだけでなく、事実関係や証拠、論理との整合性を欠いている場合に使われます。
「弁明は失当である」=「その説明や主張には合理的な根拠がなく、採用できない」という意味になります。
質問文の文脈で適する表現
「同年8月6日の松田氏から『メール内容について記録しておく』という返信が返ってきたのは、納付の猶予は継続されていると認識していた。自主的な納付が行われなかったとする弁明は(・・・)である。」という文章であれば、法律文書としては「失当である」が最も自然な表現の一つです。
完成例は次のようになります。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| 失当である | 主張に合理性や根拠がない |
| 理由がない | 法的根拠が認められない |
| 採用できない | 主張として認められない |
| 失当というべきである | より丁寧な法律文書表現 |
特に行政不服審査や訴訟関係の文書では、「失当である」「失当というべきである」が多く用いられます。
より説得力を高める文章の書き方
法律文書では結論だけでなく、その結論に至る理由を明確に示すことが重要です。
例えば、「納付猶予が継続されているとの認識を抱くことには相当の理由があった」と説明した上で、「したがって、自主的な納付が行われなかったとする弁明は失当である」と結論付けると論理構成が明確になります。
結論のみを記載するよりも、事実→理由→結論の順で記載した方が説得力が高まります。
「失当」と似た法律用語との違い
法律文書では似た表現が多数あります。
- 失当:主張が妥当ではない
- 失当というべきである:やや丁寧な表現
- 理由がない:法的根拠が不足している
- 失当かつ理由がない:双方を指摘する強い表現
- 認められない:結論として排斥する表現
文書の目的や相手方との関係によって使い分けることが望ましいでしょう。
実際の文例
行政機関への意見書や審査請求書では、次のような表現がよく用いられます。
「担当者から特段の納付催告がなかったこと及び当該メールの内容からすれば、納付猶予が継続されていると認識することには合理的な理由があった。したがって、自主的な納付が行われなかったとする弁明は失当である。」
また、より穏当な表現として「その主張は採用できない」や「その説明には合理性が認められない」と記載することもあります。
まとめ
「自主的な納付が行われなかったとする弁明は(・・・)である」の空欄には、「失当である」が法律文書として最も自然な候補の一つです。
「失当」とは、相手方の主張や説明が事実や証拠、論理に照らして妥当ではないことを意味します。意見書や陳述書では、結論だけでなく、その理由となる事実関係も併せて記載することで、より説得力のある文章になります。


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