中医診療では、咳嗽は主に風熱咳嗽と風寒咳嗽に分けられ、異なる薬方が使用されます。ここでは、簡牍に記録された2つの薬方について説明します。
薬方1:風熱咳嗽の治療
簡牍79では、風熱咳嗽に対する治療として以下の薬方が記されています:
「久咳上気喉中如百虫鳴状、三十歳以上に効果がある。」
使用する薬材は、柴胡、桔梗、蜀椒(それぞれ2分)、桂、ウィカク、姜(各1分)を合わせて、大きさが樱桃のような丸薬を作り、昼夜に3丸を少しずつ飲むと良い。」
この薬方は、風熱咳嗽による喉の症状に有効とされています。
薬方2:風寒咳嗽の治療
簡牍80甲、80乙では、風寒咳嗽に対する治療薬方として、逆上気の症状を和らげるために以下の薬材を使用します:
「紫菀7束、門冬1升、款冬1升、橐吾1升、石膏半升、白苣1束、桂1尺、蜜半升、枣30枚、半夏10枚。」
これらをすべて切り刻み、半夏は切らずにそのまま使用し、6升の水で炊き、6度沸騰させ、浸した後温かい飲み物として1杯を1日3回飲む。1週間以内に効果が出るとされています。
まとめ
これらの薬方は、それぞれ風熱咳嗽と風寒咳嗽を治療するためのものです。風熱咳嗽には、喉に障害が出る症状に焦点を当てた薬方が使用され、風寒咳嗽には、逆上気などの症状を和らげるための薬方が使われます。具体的な症状に応じて薬方を選ぶことが重要です。
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